失いたくない ページ11
独特な模様をした羽織りを着た詰襟姿の男が刀を持って立っていた。
義勇「何故、庇う。」
炭「お、俺の双子の妹です!俺達の家族なんです!」
男は眉を顰める。
視線の先には唾液を垂らし低く唸っている男の姿。
義勇「それが片割れ(妹)か?」
炭治郎+禰豆子「「………!」」
2人は言葉に詰まった。
だが次の瞬間、男が此方へと駆け出したので咄嗟にAを守るように抱え込む。
しかし2人の間にはAの姿はなく、目の前には片手で拘束されたAがいた。
貴方「ウガアァァァッ!!」
禰豆子「お姉ちゃん!!」
炭治郎「妹から手を離せ!」
すぐさまAを取り返そうと動こうとしたら、制止の声がかかる。
義勇「動くな」
凍てつくような声音に足が動かない。
義勇「俺の仕事は鬼を斬ることだ。勿論お前達の家族の首も刎ねる。」
その言葉に背筋に悪寒が走った。慌てて口に出す。
炭治郎「待ってください!Aは妹は誰も殺していない!俺達家族を逃して一人鬼と戦っていたんです!!」
禰豆子「お姉ちゃんは違うんです!どうして今そうなってしまったのかわからないけれど…でも!」
義勇「簡単な話だ。傷口に鬼の血が入れば鬼になる。人喰い鬼はそうやって増える。」
淡々と話す男にそれでも抗議する。
禰豆子「姉ちゃんは人を食ったりしない!」
義勇「よくもまあ今しがた姉がお前達の事を喰らおうとしていただろう。」
炭治郎「違う!!妹はちゃんと俺達のことを分かっている!さっきも名前を呼んでくれた!俺達が人を傷付かせない。きっとAを戻してみせる!絶対に治します!!」
義勇「治らない。鬼になったら人間に戻ることはない。」
禰豆子「探します!!必ず方法を見つけますから殺さないで!私達が全部ちゃんとしますから!だから、だから…」
男はそれでも止まる気配を見せず、Aの首元へと刀を構える。
「「やめろ(て)!!」」
苦労をかけたA、唯一あの惨劇から家族を守ろうとくれた家族が殺されようとしている。
A奪われたくない。その一心で2人は土下座をした。
炭治郎「やめてください…どうか…どうか妹をAを殺さないでください…お願いします…お願いします…」
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妖精・ナルル - 続きがめっっっっっちゃ気になるぅぅぅぅぅ!!! (2020年2月27日 21時) (レス) id: 428de63203 (このIDを非表示/違反報告)
らい(プロフ) - とても、面白いです。更新楽しみにしています。応援しています。 (2019年12月31日 1時) (レス) id: 19cc590829 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 月下さん» そうだったんですね!勝手な勘違いをしてしまってすいません! (2019年12月1日 21時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
月下(プロフ) - フランさん» 確かに、猗窩座は女には手を出しません。ですが、無惨の命令により手を出し得なかった状況です。また柱会会議の時に書きますが、夢主は産屋敷家しか知らない極秘の裏柱という設定です。 (2019年12月1日 20時) (レス) id: 34c52f365a (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 猗窩座は女には手を出さないんじゃないでしょうか……?それに柱なら何故冨岡さんは夢主さんのことを知らないのでしょうか? (2019年11月19日 2時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月下 | 作成日時:2019年8月20日 0時