愛と引き換えに【JK】

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私の何気ない質問から、彼の話が広がった。

ジョングクくんは高校入学を控えていて…入学が遅れたのは、仕事と病気のことが相俟った為なんだそう。

そして防弾少年団というグループでアイドルとしてデビューし、活動していると。もともとそういうテレビ関係に疎い私は、顔はもちろん名前さえも聞いたことがなかった。


「そっか…夢があるね。素敵」



最初は緊張気味だった彼も、大分肩の力が抜けたんじゃないかと思う。

精悍な顔付きで自分の思いを話す彼は少なくとも17歳の少年には見えなかった。

JK「Aさんは…韓国語がすごく上手ですよね」

「ああ、まあ…勉強したし長いから」

JK「すごいです…」

「勉強すればジョングクくんだって日本語上手くなれるよ〜」

名前を名乗った時点で驚かなかったから察していたけど、やっぱり私が日本人なのは知ってるんだ。




JK「はい……あの、聞きました」

「？」

何を？なんて尋ねる前に、彼は言いづらそうに口を開いた。そこには、少しの躊躇いもあった。

JK「恋人なんですよね、…この方の」

「…うん。」

胸の奥底が、チクリと痛んだ気がした。急にどうしたの？なんて悟られないように微笑むと、彼はまた気まずそうにしてまつ毛を伏せる。


JK「強い人なんだなって…思って」


少なくとも彼にそう見えたのなら幸いだった。

本当はまだ全然立ち直れてないし、気を抜けばまた溢れてきそうだけれど。ジョングクくんと話すことで、少しは和らいでいる気がしたの。

「泣いても嘆いても、何も変わらないから」


バカみたいな嘘をついて、私は自分を偽った。

彼の前でだけ、弱い自分を葬った。









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