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JK side
無理なお願いだったかな、と後悔して、ヒョンたちが頭を下げる度に、「もういいから」なんて言ってた。
ドナーとその臓器を譲り受ける患者との面会は、本来認められているものではない。
会ってありがとうと言いたいのは本当だけれど、そんな風に何度も断られて辛そうな顔をするヒョンたちを見ている方が…苦しかったから。
明後日に移植手術が迫る今日。今日は、本気でやめてって言おう。そう決め込んだ時、病室の扉がガラッと開いて、
ジミニヒョンが晴れやかな表情で入ってきた。
JM「グガ!会えるよ…!!」
JK「え…」
誰に、なんてそんなの聞かなくてもわかる。うそ、本当に?あれだけ断られてたのに、本当に許可が降りたの?
JM「ドナーの人の彼女さん。是非会いたいって…よかったね。」
よしよし、って僕の頭を涙ぐみながら撫でているヒョン。彼の目に滲む雫は本物で、重かった心の内が晴れていくような気さえした。
JK「いつ、いつ会えますか?」
JM「今すぐにでもいいんだって!実はね…」
偶然にも、その人は同じ病院の患者さんだった。僕のひとつ上の階の個室で、治療を受けている。それを聞いた時僕はますます会いたくなった。運命なんじゃないか…って、そう思えたから。
会えるものなら、今すぐ会いたい。
JK「あの、ジミニヒョン…着いてきてくれませんか?僕緊張して…」
JM「ふふ、もちろん。」
糸目になって微笑み、ささっと手際よく車椅子を運んでくるヒョン。本当は歩けるけれど、僕は素直にそれに座り込んだ。
ヒョンの手によって押され、車椅子は前へと進み出した。
JK「ヒョン、相手の方日本人だって聞いたけど、僕大丈夫かな、」
JM「ふはっ、何が?」
JK「その、言葉とか…」
会う気も話す気も満々だったのに急に不安になるのは然ばかり空気が張り詰めている気がするからだ。
ノックの音がやけに響いて聞こえた静かな廊下。僕が叩いたその扉は、まさにその人がいる病室のもの。
どうぞ、と女の人の声。韓国語…なんて思いながらも、その声に余計緊張が増す。はいと扉に向かって出した声はもしかしたら震えて聞こえたかもしれない。情けないけど…知らない人と話すのはあまり得意じゃないんだ。
ジミニヒョンの手によって開けられた扉。
ドキドキと鳴る心臓は、発作よりも苦しかったかもしれない。
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Laurent(プロフ) - ぐぅにむさん» ありがとうございます。最近はずっと家に籠ってますのでコロナは心配ご無用です!笑お気遣いありがとうございますふふ。 (2020年4月25日 5時) (レス) id: 1f1ed7af51 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ - 大丈夫です!ってかもちろんです!是非とも最後まで読ませていただきたいです!ですがコロナとかもありますので、体には十分気をつけて、ろーらんさんのペースで投稿してくださいね?笑応援してます! (2020年4月24日 18時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
Laurent(プロフ) - ぐぅにむ推ーarmyーさん» うわああ嬉しすぎます!!;_;そんなに言っていただけるなんて私はなんて幸せ者なんでしょうか;_;本当にいつもありがとうございます……完結まで頑張りますのでどうか最後までお付き合い下さい! (2020年4月23日 0時) (レス) id: 1f1ed7af51 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ推ーarmyー - 完結が楽しみです!楽しみっ!って感じです。(どーいう感じよ笑)Laurentさんの作品全てが面白くって好きです!他の作品の感想の方にも顔出させてもらいまーす!誘メイをきっかけに占ツクを頻繁に利用するようになりました!誘メイに出会えて良かったです。応援してます (2020年4月23日 0時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ推ーarmyー - こんばんはー!誘メイから見させてもらってるぐぅにむです!新作って出てたので気になって見て見たら、こちらもまぁなんとも号泣必須でぇぇぇ!(うるさい)私が脆いだけなんですかね?こっちも良かったです!これからも見させていただきます!頑張ってください (2020年4月22日 23時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Laurent | 作成日時:2020年2月6日 22時