愛と引き換えに【JK】

：３８ ページ40

・





ジニヒョンの乾杯の音頭で軽く缶を交える俺達。

ビールを飲むAに皆早速驚くのだから、俺は面白くて横で笑ってた。そういう俺も知った時は驚いたけど。


HS「それにしてもすっごい意外でした。Aさんがビール好きなんてなあ…」

「酎ハイは甘くて飲めなくて…」

Aは苦笑いをしてそう言う。
確かに…よく考えてみれば可愛い顔した華奢な女がビールを片手に持っているのは異様に思う。

普通逆だし。

YG「ビールもそうだしコーヒーはブラックが好きだもんな、Aって」

NJ「わあ、カッコいい」

「ちょっとユンギやめてよ。別に珍しくないでしょう？」

かあっと顔を赤くするから俺に暴露されたことが恥ずかしかったのだとわかる。そんなに大したことじゃないはずなんだけど、ほんとAって変なとこで照れるな…


JN「…ねぇ、思ったんだけどユンギってAちゃんと同い年だっけ？」

YG「いや、一つ下です」

尋ねてきたジンヒョンに少し嫌な予感。何食わぬ顔で答えればだよね？って怪訝な顔で見つめられる。

JN「なのにタメ口？呼び捨て？仲良すぎない？」
NJ「それに久しぶりって感じしない…」
HS「確かに！二人だけ距離近いですよ」

YG「はぁ？」

三人が一気に責め立て、俺に詰め寄った。ちらっとAに目配せすれば逃げるように目を逸らされる。目を泳がせながらとぼけたようにビールを一口飲んでみせた。

JN「Aちゃんもユンギって呼んでたろ！皆のことは呼び捨てじゃないのに！」

「……こっちの方が呼びやすいから…」

わっかりやっす！！何だよ今の間は！

HS「ヤー絶対なんかあるじゃんっ隠しても無駄ですよ！」

ユンギヒョン！ってまた矛先が俺に向く。あぁもう面倒臭い。そもそも誤魔化す必要なんてあるか？

詮索されることが面倒でそれに対応する言い訳を考えるのがまた煩わしい。疾しいことなんてないし、隠す程の事じゃないだろう。

YG「はぁ…別に深い意味はねーよ、たまたま仲良くなっただけ」


そうだ。よく二人で会うだけで、お互い特別な感情はない。


…はずだ




・

：３９→←：３７

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す