愛と引き換えに【JK】

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僕、もうすぐ死ぬからさ。

いつ現れるか分からないドナーのことはもう諦めていて。そう言って親に頼み込んだのは昔の話だけれど。

死ぬ前にやりたいことがある、と受けたオーディションはあろう事か合格して。遂には防弾少年団の一員としてデビューまで果たしてしまい、もう後戻りはできなかった。

オーディションを受けられただけでも満足だったのに。

恵まれたメンバー、恵まれた環境。好きなことができる喜びを味わって、死ぬ覚悟を決めたはずなのについ、生きたいと思ってしまって。

神様が最後にくれたプレゼントなのかなって思ったりもしたんだ。

それならこの命が尽きる時までやってやろうと、新しい決意をして。死ぬ覚悟を決めていたのは変わらないが、少しだけ前向きになれた。


NJ「…しばらく入院だって。」


そんな自分が今、音をたてて崩れる。

ナムジュニヒョンの言葉に、僕は絶望のどん底に突き落とされた気分だった。


TH「なんで隠してたの、」


そう言って泣きそうなのを堪えるテヒョイヒョンの顔や、他のヒョン達の顔を見て、もう全部聞いたんだって察した。僕のこと、全部。

JK「＿＿＿＿、」

僕は謝った。

心配かけてごめんなさい。
迷惑かけてごめんなさい。

隠しててごめんなさい。


こんな身体で、ごめんなさい。


複数の意味を込めた、精一杯の謝罪を。『ごめんなさい』を。


ずっと僕の手を握っているユンギヒョンは酷く顔を顰めて、俯いて。ぽた、ぽた、と垂れる雫がベッドに染みを作っていくのを、僕は見ていた。

JM「ジョングガっ……」

ジミニヒョンの香りに包まれ優しく抱き締められ、弱々しく名前を呼ぶ声が、余計に僕を苦しめた。彼の手は少し震えていて、儚くて。僕が消えてしまうのを拒んでいる手だった。

もうヒョン達とは一緒にいられない。

これは両親と交わした一つの約束。
この秘密が誰かに知られた時、僕は防弾少年団を辞める。ファンが悲しむ前に、メンバーが辛くなる前に、静かに姿を消して、静かに最期を迎えるんだって。

こんな体に生まれて、

最初で最後の親孝行なんだ。


デビューしてたったの2ヶ月。夢だった僕のアイドル人生はあまりにも短かったな。





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