愛と引き換えに【JK】

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U side



彼と話し出すと止まらなくて…気付いたら結構な時間。


「ジョングクくん、眠い？」



睫毛を震わせながら私の言葉に首を振る彼。朧気な表情は誰がどう見たって眠いって物語ってる。なのに強がってみせるから赤ちゃんみたいで可愛くて…なんてこんなこと言ったら怒られるかもしれないね。

可愛いなあって思ってくすりと漏れた笑みに、彼は気付いてない。

「寝てもいいよ？」

JK「…イヤです」

せっかくヌナがいるのに…とゆったり蕩けた声。眠そうな目をぎゅ、ぎゅ、と強く瞬きさせてぼんやり私を見つめた。

「……」

私は彼に手を伸ばした。髪に指を触れ、さらさらと柔らかく撫でる。梳かすように手櫛したり、ぽんぽんと柔らかく叩いたり。

JK「…子供扱い。」

「ご、ごめん」

JK「いい。…触ってて」

一瞬むすっとした彼。気に障ったかと思って慌てて手を退けると…すぐにその手を捕まえられて引き寄せられる。眠気に頭が回っていないのか、ジョングクくんの抜けた敬語が不意打ちでついドキッとしてしまった。

言われた通り彼の頭をまた撫でていれば、彼はふっと瞼を閉じた。そのままじっと動かず規則的な呼吸を繰り返すから、もう寝たのかと油断して…

JK「…ヌナに撫でられるの、好き」

瞼は閉じたまま、寝言のようにそう呟いて、ジョングクくんの逞しい手が頭に触れていた私の手を掴み彼の頬に添えさせた。

「…っ、ジョングクくん、」

ほんのり掌に伝わる彼の体温。すり、と頬擦りするのがなんだか猫みたいで、…心臓に悪い。

そのまま静かに寝息をたて始めるジョングクくん。今度こそ寝たみたい。

彼が眠ったことに何故だか安心している私。理由はわからないけれど…今日はなんだか、大人なジョングクくんを見たような気がする。




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