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YG side
YG「で…Aさんって誰だ?」
病室に入って丁度聞こえたその名前。俺がそんな風に尋ねると、ジンヒョンはぽかんと呆けた顔で俺を見た。そんな目で見られたって、知らないんだから仕方ない。
JN「ユンギヤ会ったことない?」
YG「会うも何も、初耳ですよそんな名前」
ジョングガが眠っている間も何度か面会に来たことはあるが、曲作りやなんやが忙しいせいで俺が来る時間はいつも面会時間ギリギリで、しかもほんの数十分しかいられないことが多かった。
誰かに会うことはそうそうない。
JK「Aヌナは………僕が尊敬する人です。」
YG「…へえ。」
俺を見据える目はしっかりとした意思を持っているようだった。なるほど、そのAという女性はジョングガにこう言わせるくらいの人らしい。
JN「お、驚いたな…そうなんだ。」
JK「はい」
俺も大概驚いていたが、ジンヒョンはそれ以上だったようだ。
JK「ヒョンもいつか話してみてください」
ジョングガが、ヌナと呼ぶほどの人。
JK「…強くて、綺麗な人です。」
男の癖にやたらと長い睫毛をはためかせ伏せて、少し微笑んだジョングガの顔を見て…ああ、彼は今まさにその人の顔を思い浮かべているんだろうな、と思った。
俺達メンバーが関わっていること以外で、そんな表情をしたのは今が初めてだったかも知れないな。だからなのか、やけにそのAという女性が気になった。
JN「Aちゃん、毎日のように来てくれてるからてっきり会ったことあるんだと思ってたよ。」
YG「たった今初めて知りました。ヒョンは随分仲良くなったみたいですね。A“ちゃん”って。」
JN「いや〜〜それは同い年の特権だよぉ」
JK「え……ま、毎日来てくれてたんですか?」
俺とヒョンの会話に戸惑いの声を上げるジョングガ。そんな彼にもお構い無しに、ジンヒョンは軽々とそうだよ、なんて言ってみせる。
JN「あれ全部Aちゃんがやってくれたの」
そう言って窓辺を指差した。そこには暖色系で纏められた色鮮やかな花が美しく生けられており…ヒョンは付け加えるようにして口を開いた。
JN「日に日に一本ずつ増えていくんだ。Aちゃんが来てくれる度に」
それを聞いたジョングガはその花を眺めながら、ほんのりと頬を赤く染めた。
JK「本当に毎日来てくれてるんだ……」
きらきら輝く目は星のように眩しくて。
Aさん。
ジョングガをこんなにも変えた貴方は、どんな人なんだろうか。
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Laurent(プロフ) - ぐぅにむさん» ありがとうございます。最近はずっと家に籠ってますのでコロナは心配ご無用です!笑お気遣いありがとうございますふふ。 (2020年4月25日 5時) (レス) id: 1f1ed7af51 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ - 大丈夫です!ってかもちろんです!是非とも最後まで読ませていただきたいです!ですがコロナとかもありますので、体には十分気をつけて、ろーらんさんのペースで投稿してくださいね?笑応援してます! (2020年4月24日 18時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
Laurent(プロフ) - ぐぅにむ推ーarmyーさん» うわああ嬉しすぎます!!;_;そんなに言っていただけるなんて私はなんて幸せ者なんでしょうか;_;本当にいつもありがとうございます……完結まで頑張りますのでどうか最後までお付き合い下さい! (2020年4月23日 0時) (レス) id: 1f1ed7af51 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ推ーarmyー - 完結が楽しみです!楽しみっ!って感じです。(どーいう感じよ笑)Laurentさんの作品全てが面白くって好きです!他の作品の感想の方にも顔出させてもらいまーす!誘メイをきっかけに占ツクを頻繁に利用するようになりました!誘メイに出会えて良かったです。応援してます (2020年4月23日 0時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ推ーarmyー - こんばんはー!誘メイから見させてもらってるぐぅにむです!新作って出てたので気になって見て見たら、こちらもまぁなんとも号泣必須でぇぇぇ!(うるさい)私が脆いだけなんですかね?こっちも良かったです!これからも見させていただきます!頑張ってください (2020年4月22日 23時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Laurent | 作成日時:2020年2月6日 22時