誘拐されてメイドになれと言われた【JN】６ (ページ4)

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２３６．気付かれてたページ4

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「辛かったね、ごめんよ」

「…ヒョン、」

頭を上げさせればちょっと面食らったような顔の彼。瞳を見つめ返して、噛み締めるように言葉を紡いだ。

「Aのことを守ってくれてありがとう。」

立場を自分に置き換えて考えてしまう癖が、ここで出た。ジョングガは今までどれだけ辛かったのかな、虚しかったのかな。ああやばい、なんだか泣きそうだ。

僕は僕のせいで、弟にそんな思いをさせてしまったんだね、

「…次はヒョンが守ってください」

「えっ？」

僕に頭を撫でられて俯いたまま、彼の口から零れたのはそんな言葉だった。

「ジンヒョン、Aのこと好きでしょう」

「えぇっ！？」

過剰に狼狽えてしまった今の僕は、多分めちゃくちゃわかりやすかったと思う。視線を上げてにやっと笑った彼を見て、僕はたちまち冷静じゃいられなくなる。

「き、気付いてたの…！？」

「はい。」

「い、い、いつから？」

「僕が嘘をついたその時ですかね。」

「嘘だろ…自分でも気付いてなかった時だ……」

「…あははっ！」

さあっと青くなる僕を見て可笑しそうに笑って。おどけてみせた次の瞬間には、また真剣な顔つきに戻るんだ。

「僕はまだAのことが好きです。でも一方通行なんです。Aは僕を恋愛対象としては見てくれない…Aにとっての僕は、相談相手止まりだったんですよ、」

並べられる言葉は僕が知らなかったことばかり。僕はずっと、Aはジョングガを好きなんだと思ってて。僕振られちゃいましたよ、って切なく微笑む彼を見て…その勘違いが今砕かれたような気がした。

「守るのは僕じゃないんです。…さすがに、意味わかりますよね？」

「それって……」

ちょっと嫌な予感がした。

「伝えて来いってことです！」

「っわ！」

ドアに向かってグイグイと背中を押される僕。
部屋を追い出された時はまじかーって蹲りそうになった。

…でも彼がそう言うなら。

僕だって、Aにちゃんと伝えたい。

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