246.告白 ページ14
JN side
「…なに、いってんの」
耳を疑った。その言葉一つで、涙も引っ込んでしまった気がした。
嫌に決まってるだろって首を振る。そんな、絶対にできない。したくない。
「死ぬなら、ソクジンさんに食べられた方が…ずっといい、」
「馬鹿なこと言わないで!…絶対嫌だ」
傷が痛まないようにぎゅうっと抱き締める。
Aの甘い匂いが僕の脳を侵してもうキャパーオーバー。限界なんてすぐそこで、なんとか持ち堪えてる理性なんて指一本でも触れれば簡単に崩れてしまう、そんな状況の僕に。
そんなこと、言わないで。
Aは助かることを諦めて死のうとしてるんだとわかってしまった今、胸が締め付けられてものすごく苦しかった。僕が絶対助かると思っていても、本人にしかわからないこともあるんだ。
もうダメだって、悟っちゃったのかな
「死なせない…絶対助ける。話したいこといっぱいあるんだから」
「……私…しって、るよ、」
「っ…、」
弱々しい腕が僕の背中を包む。細い指が、ゆっくりと背中を掴むのを感じる。
「ソクジンさんだけ、違う、こと…私を美味しいって思ってくれてたこと」
「え……、」
「でも、関係なか、った…わたしね、ソクジンさん、」
浅い息をすうっと吸い込んで。途切れ途切れに言葉を絞り出す彼女の声を聞いて、頭が真っ白になって。返す言葉も見つからなければ、相槌を打つほどの余裕もなかった。
君は、僕の全てを知っていたんだ
「それでもあなたのことが、ずっと、」
“好きだったよ”
「なん、で………」
なのに僕は全然彼女を知らなかった。
ジョングギが言ったことさえ理解ができなくて。今やっと、全ての点が繋がった気がした。
「…待って、だめだよ、だめ…僕を見ろっ…」
微睡み始めるA。呼び起こそうと僕は必死に彼女の頬を撫でた。何度も名前を呼んで、伏せてしまいそうな長い長い睫毛に指を掠めて。
「そくじん…さん…あいしてる……」
零れた一筋の雫。それを最後にAはついに瞼を閉じてしまった。
僕が一番言いたかった言葉を、呟いて。
「僕だって、僕だって…っ…」
大丈夫、まだ、まだ心臓も動いてるから。息もしてるから。
死んだりしないよ、絶対に助かるから。
だから言わせてよ、僕も、同じ気持ちだって伝えさせてよ。
君に向けるのは食欲ではなくただの恋心
気付くのが遅すぎた僕でも、空回ってばかりでも
必ず手を引くから
だからもう一度笑顔を見せて
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ただの - 私も名前省略した。勉強、、、、?しない笑 (2020年4月24日 18時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ - 名前省略した。長いし。ってか勉強は? (2020年4月24日 18時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ただのグクペン - それ以外何があるの。ぐぅにむのおすすめ見るわ。 (2020年4月24日 18時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ推ーarmyー - あっ。ありがとってURL送ってくれてだよ? (2020年4月24日 18時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ推ーarmyー - ありがと。全部見るわ (2020年4月24日 18時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろーらん | 作成日時:2019年9月17日 0時