１９９．それだけで満たされる ページ10
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「昨日はごめんね！ありがとう。」
苦笑いをして明るく振舞ってみせるA。
僕は彼女に、
「…いや…、また頼っていいからね」
そんな在り来りなことしか言えない。
それでもAはありがとう、と笑ってくれた。
吹っ切れたようなその様子に、少し安心した自分もいれば、余計に心配している自分もいるのだ。あんなに泣いて辛そうだった昨日の今日で、しかも今朝、ついさっきも泣いていて。…無理してるんじゃないか、ってどこかでそう思うんだ。
「じゃあ、みんな起こしてくるね」
またにこっと可愛らしい笑顔を向けられた。立ち去ろうと腰を持ち上げる彼女に、僕は声をかけたんだ。
「もう怖くない？」
「…え？」
Aは丸くした目を僕に向けて素っ頓狂な顔をしていたから、本当になんのことがわかってないんだなって察した。だから尚更、言うのを躊躇った。もし掘り返してしまうようなことをしたら、と思って、少し怖くなる。
「ジンヒョン、今日休みなの知ってるでしょ？」
「…うん」
「…怖くない？」
「…………、」
僕がそう聞いた時、Aは瞳に影を落とした。口を噤んで、視線を逸らした。どうして？なんて聞き返してくるけれど、本当は彼女もわかっているんだと思う。
「夢、」
「…っ」
僕は、今朝のあの怯えた表情が、どうしても頭から離れなかった。今もその面影があるから、胸がぎゅうっと痛くなる。
「本当は…ちょっとだけ怖い」
怖くないよ、とか、大丈夫、なんて言われれるのかと思っていたから、こんな時に不謹慎だけど…ちょっとだけ嬉しかった。僕のこと頼ってくれてるんだなってわかる気がして、ほんの少し、満たされた。
「また抱き締めようか？」
そう言って両手を広げれば、Aは大きな瞳で驚いたように僕を見つめた。それからふっと笑い出して、おかしそうに眉を下げた。本当に心からの笑顔に見えて、僕はそれにも嬉しくなったんだ。
「ふふ、うん、お願い」
冗談だよ、って。まあ本当は本気だったけど、そう言おうとしたらAが微笑んでそんなことを口にするから…内心びっくりして。
ゆっくりと、僕と同じように腕を控えめに広げて抱き着いてくる。きゅ、と服を掴む彼女を、僕は受け止めて、そっと背中を包み込んだ。すっぽりと腕の中に収まってしまうAにドキッと胸が鳴って、苦しくて…でも幸せで。可愛いな、好きだな、って思うんだ。
「安心する……」
「いつでもしてあげるよ」
「次は私がしてあげたい」
「ふはっ、いつになるかな」
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ろーらん?(プロフ) - ぽちさん» ぽちさん初めまして！コメントありがとうございます；＿；とても嬉しいです！私もハッピーエンド信者なので皆がハッピーな終わり方にしたいなと…。とにかくたのしみにしていてください！笑応援ありがとうございます！；＿； (2019年9月16日 13時) (
レス) id: c96f5d7f61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽち(プロフ) - こんにちは☆グクさんの役回りが切なすぎるけれど…ついつい望んでしまうのはジン様のとの明るい結末なんです///ステキな作品なので終わって欲しくない気持ちもありますが…更新がんばってください☆(語彙力足らずにて失礼いたします) (2019年9月16日 11時) (レス) id: 8ba320eacd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろーらん | 作成日時：2019年7月20日 10時
