48.ジェントルマン ページ4
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次に、ナムジュンさんの部屋の扉を叩く。
案の定返事は返ってこなくて、私はそっと扉を開いた。
「…あれ…?」
ベッドにあるはずのナムジュンさんの姿は見当たらず、部屋を見渡してもそれらしい人影はない。
おかしいな、と思っていたその時、部屋の中の一方の扉が開いた。
そしてそこから現れたスラッと背の高い人物。アッシュっぽい色をした髪はぴょこんと跳ねた部分がある。
「あ、Aちゃん。おはよう」
「ナムジュンさん、起きてらしたんですね」
ニッコリと優しく笑いかけてくれる彼。初めて見た時から第一印象は紳士というイメージだ。
「うん、今日はたまたま目が覚めて。Aちゃんはどうしたの?」
「あ、私…今日から皆さんを起こすことになって。今部屋を回ってるんです。」
「お、そうなんだ?」
ナムジュンさんはとても話しやすかった。物腰柔らかい話し方で、ニコニコ愛想のいい人。話を聞く時はちゃんと目を見てくれて、良い人っていうのがすごく伝わる。
なんだかこう…お兄ちゃんと話してるみたいな?そんな感じだった。
「次誰んとこ行くの?」
「ジミンさんですね。」
ほうほうと頷く彼。柔らかい雰囲気で、見た目より全然接しやすかった。
「そうだ。ジニヒョンとユンギヒョン、気を付けなね」
「…?」
ナムジュンさんは苦笑いする。気になって尋ねたら、んーっと少し考えて眉を下げた。
「寝起きがさ?ちょっと厄介なんだ。」
そう言って頬を搔いた。申し訳なさそうにする彼に、私は焦って言葉を絞り出す。
「い!いえ、平気です、」
お気遣いありがとうございますって言ったら、お礼には及ばないよなんて紳士な返答が返ってくる。
ザ・ジェントルマンって感じ。つくづく感じのいい人だ……
「頑張ってね!」
指でハートを作りにっこりスマイルで私に向けてくれた。
そんな優しいナムジュンさんに、私まで笑顔にさせられた。
「あの…ナムジュンさん」
「ん?」
扉に手をかけて、部屋を出る前の最後の頼み事を口にする。
「ナムオッパ、って…呼んでいいですか?」
おずおずと口に出すと、彼は嫌な素振りはひとつも見せずに微笑んでくれる。
「Aちゃんの好きに呼んでくれて構わないよ。」
ふわっと温かい気持ちになって、自然と頬が緩む。なんでだろう、この人の雰囲気、すごく落ち着く…
「ありがとうございます、ナムオッパ。」
私がそう言えば、彼は嬉しそうに笑ってくれた。
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ぐぅにむ推ーarmyー - もう天才です。ありがとうございます!ぐぅにむ推しなんですがとっても嬉しいです。楽しめるストーリー性にだんだん引き込まれていってしまいます。これからも応援してます。頑張ってください。楽しみにしてます (2020年3月23日 22時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ろーらん?(プロフ) - ベリトさん初めまして!そのお言葉とっても光栄です本当に嬉しいです;_;ベリトさんもやってらっしゃるんですね!!参考になんて!ますます士気が上がります…!一緒に、お互い頑張りましょうね!! (2019年3月19日 6時) (レス) id: c96f5d7f61 (このIDを非表示/違反報告)
ベリト(プロフ) - すごい!なんか・・すごい!!とにかくすごいんです!物語の内容はもちろんなんですけど、なんていうか、語彙力?小説家みたいな表現がクセになります!今作品やってるんでちょっと参考にさせてもらいたいなって思います!頑張ってください! (2019年3月19日 3時) (レス) id: c8c9c2ed68 (このIDを非表示/違反報告)
ろーらん?(プロフ) - オルペンさん» オルペンさん初めまして!ありがとうございます!!お気に入り登録、とても嬉しいです;_;うぅ〜私もオルペンさんサランヘヨぉぉ;_; (2019年3月18日 11時) (レス) id: c96f5d7f61 (このIDを非表示/違反報告)
オルペン - すっごく面白いです!更新頑張って下さい。お気に入り登録しました! 作者さんサランヘヨ♪ (2019年3月17日 20時) (レス) id: e1ed865c2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろーらん | 作成日時:2019年3月15日 20時