恋しい非日常 (ページ13)

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JK side

『本当にいいんですか…？』

椅子に座り、鏡に向かう僕の顔を不安そうに見つめる彼女。

JK「もちろんです！僕からお願いしましたから」

僕で試してみませんか、と思い切った提案は、もちろん彼女もびっくりしていた。

でもそれは僕も同じで。彼女との時間が欲しかったために、そんなことを口走ってしまうとは。

『恐れ多いですが……本当に光栄です、ご本人に練習させてもらえるなんて』

JK「そんな！そんな言い方やめてください、もっとこう…」

そう言って、はっとした。そういえば…僕らは同い年だった。

仕事場は皆年上の方ばかりだし、しかも彼女とは仕事上の関係だったから…つい忘れてしまっていた。

JK「もう少し気軽に話しませんか？僕は…もう仕事だけの関係だと思ってないし、年も同じ、だし…」

鏡越しに見た彼女の表情は少し困っていて、だけど僕の話をちゃんと聞こうとしてくれていて。

気軽に…と言えど、周囲からすれば僕たちのこの関係は誰も知らないことで、いきなり距離が近くなったと思われてしまうのもあまり…良いことではないとわかる。

きっとそのことを気にしているんだろうと、なんとなくそう思った。

JK「じゃあ…呼び方だけでも変えられませんか？」

苦し紛れの提案に、少しでも距離を縮めたいと思っている僕の本音が垣間見えて、正直恥ずかしいけれど。

せめて、僕の名前を呼んで欲しかった。

『ジェイクさん…じゃないですよね』

言い籠もる彼女はなんだか迷っているようにも、困っているようにも見えて。

JK「…僕の名前、覚えてますか？」

そんなことは、わかっていて尋ねた。
困っている姿がなんだか可愛らしくて、申し訳なさがありつつも、悪戯心がほんのちょっと顔を出した。

『ジェユン、さん』
そう僕の名を呼んだ声が、思ったよりも心地よかった。

「…うん、Aさん」

これをきっかけに、また少し、仲良くなれたらと思った。

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