恋しい非日常 (ページ11)

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JK「はー………」

Aさんとの時間を過ごして宿舎に帰るまで、もうあっという間だった。

話に夢中になって、そして彼女の手さばきにも夢中になって

気付いたら、日をまたぎそうな時刻になっていて。

時計を見て慌てて道具をしまう彼女を手伝ったり、僕の迎えのタクシーが来るまで隣で待っていてくれたり。

今日のその時間だけで、彼女の魅力をたくさん知った。

作業をする手元を見下ろす真剣な横顔とか、話している時、たまに見せる笑顔とか

頑張り屋なのに、そう感じさせようとしない謙虚なところとか

とても同い年の子には見えなくて。

楽しかったな…とベッドの中で余韻に浸れば、深い溜め息が漏れた。

ヘアセットやアレンジ、メイクを人に施すのが好きだと。

でも今日のように、マネキンを使えば髪は触れても、メイクはなかなか練習できない…なんて話していた。

だから、紙にメイクのデザインを落とし込めたものを、自分の顔を使って試しているんだと。

少し悔しそうにして言うのが、頭に残っていた。

ほんの少し非日常だった今日。

僕にとってちょっと特別で…このことは、なんだか僕だけの秘密にしておきたくなった。

明日も残って、練習かな。

それなら、また話したいな、なんて。

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