検索窓
今日:10 hit、昨日:2 hit、合計:84,161 hit

:107 ページ9







緊張して体が強ばるのがわかる。優しい口付けはまるで私を確かめるようで、暖かい。


ジョングクくんの唇を感じて、さっき突然重なったそれよりもずっと実感があって、彼の感触も温もりも全部伝わる。

二度も聞いた好きという言葉、優しく押し当てるだけの私を気遣ったキス、全てが彼の気持ちを表していて、それが今痛いほど伝わった。

またはらりと涙が零れる。閉じた瞼の隙間から滲んた雫が、彼の手を濡らしてしまう。



JK「っ………」


唇が離れただけの至近距離で、鼻がくっついたまま彼の大きな瞳が私の視界を捕らえて離さない。

きゅ、と眉が寄せられたジョングクくんの表情はなんだか痛切で、そんな顔をする理由が今やっとわかった。

今まで何度か見てきたその顔。苦しそうに俯いていたのは、私を想ってくれていたからなの…?



「っ…ん、」


そしてまた吸い寄せられる唇。ほんの少しだけ深く重なったそれは、お互いの心が強く現れているような気がした。



















JK side




「お昼食べた?」

JK「あ、まだです…」

「じゃあぱぱっと作っちゃうね、私もまだだから」



時計の針は13時を過ぎた頃。野菜は食べられる?と髪を結いながら訪ねてくる彼女に僕はすかさず頷いた。

よくよく考えればここはヌナの部屋だった。当たり前のように冷蔵庫や棚を開けるのがなんとなく家庭的で、ちゃっちゃと料理を始めていくその手際の良さに僕ははっとさせられた。

彼女は花嫁になる人だったんだ。
想いが通じた今、そんな風にふと思ったのは複雑だった。

だけど…もしこの人が僕のパートナーになるのなら……



JK「、……ぬ、ヌナ。僕手伝います」


Aヌナの香りのする部屋、目の前にある彼女の姿。

なんとなく露出が多いような気がするルームウェアで台所に佇むAヌナを見ていると、なんだか良からぬことを考えてしまいそうで焦って立ち上がる。

傍に駆け寄ればヌナは手元に視線を置いたまま微笑んで、じゃあ、と少し考えた。

「コップとお箸用意してくれる?
そっちの棚に____っ、入ってると思う、」


話しながらぱっと僕を見上げ、目が合った瞬間、彼女は慌てて視線を逸らした。

頬が少し赤い。耳もみるみるうちに赤く染まっていく。
困ったように眉を下げ睫毛を伏せる彼女の横顔に、僕の方まで鼓動が早くなる。



そんなの反則だ。
今まで見せなかったくせに、そんなに可愛い顔…するなんて。





:108→←:106



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (125 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1188人がお気に入り
設定タグ:BTS , チョンジョングク
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Laurent(プロフ) - ミカさん» お待ち頂きありがとうございます;_; 更新頑張りますのでこれからもよろしくお願い致します…! (2021年5月16日 2時) (レス) id: 1f1ed7af51 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 待ってました。良かった。 (2021年5月13日 18時) (レス) id: 14f1a948cb (このIDを非表示/違反報告)
Laurent(プロフ) - ミカさん» お待たせ致しました〜〜!!;_;コメント沢山頂いていたみたいで…この作品を長く愛してくださってありがとうございます。引き続きよろしくお願い致します…!! (2021年5月10日 1時) (レス) id: 7c8a826f9a (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 続き気になりすぎてます! (2021年3月7日 21時) (レス) id: 803e2a4328 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 描くのやめちゃったんですか?待ってます! (2021年1月14日 22時) (レス) id: 3d21976f0b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Laurent | 作成日時:2020年6月10日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。