：１２０ ページ22
・
JK「ここは、お墓？」
「うん。…」
都心からは少し外れたこの場所。木々が生い茂り、木陰になっていて少し涼しい。そこまで大きな墓地ではないから、こじんまりしていて人もあまり来ない。
「せっかくだから…ジョングクくんに会わせてあげたいなって。」
ジョングクくんの手をそっと引いて、彼が眠っている場所へと導く。
どう思っているだろうか。未練がましい女だって思われたかな。
…でもそれでもよかった。ジョングクくんが私に会いに来てくれたおかげで、好きだと言ってくれたおかげで、ようやっと決心が着いたから。
私がぐずぐずしていたせいで……顔、見せられなかった。
JK「ソンヒョン、さん……」
「韓国にあったお墓、こっちに移すことにしたの。私がいなくなったらお手入れする人誰もいなくなっちゃう。それに、」
一人ぼっちは、寂しいから。
「ソンヒョナ、…久しぶりになっちゃって、ごめんね。」
本当は、他にもたくさん謝りたいけれど。
「あなたに会わせたい人を連れてきたの」
彼の名前が刻まれてある墓石の前、座り込んでそう話しかけると、隣でそれを聞いていたジョングクくんが、正座のようにそっと地面に膝をついた。
JK「初めまして。……ジョングクといいます。」
律儀に、そして真剣に話しかける彼。一つ一つの言葉をゆっくりと食み、少し緊張したような素振りを見せていて。
JK「伝えたいことはたくさんあるんですけど………僕を救ってくれて、本当にありがとうございます」
そう告げると共に、彼は頭を下げた。
JK「あなたとAさんがいたから、僕は今も生きています」
静かで、でも力強く、はっきりと意思を伝えるその声に、ちょっと…涙が出そうになって。それから、とまた言葉を紡ぎ始める声に、耳を傾ける。
JK「Aさんは、本当に素敵な人です。僕は…心から大好きです。まだお付き合いはできないけれど、僕がもっと成長して、Aさんを守れるようになったら、必ず彼女を幸せにします。ソンヒョンさんの分も……必ず。」
「……っ、」
我慢しきれなかった涙が溢れ出す。手甲に雫が落ちると、ジョングクくんはそれに気付いてか、私の手に彼の手を重ねてくれた。
JK「Aさんが、僕を強くしてくれます。」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Laurent(プロフ) - ミカさん» お待ち頂きありがとうございます；＿； 更新頑張りますのでこれからもよろしくお願い致します…！ (2021年5月16日 2時) (
レス) id: 1f1ed7af51 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 待ってました。良かった。 (2021年5月13日 18時) (レス) id: 14f1a948cb (このIDを非表示/違反報告)
Laurent(プロフ) - ミカさん» お待たせ致しました〜〜！！；＿；コメント沢山頂いていたみたいで…この作品を長く愛してくださってありがとうございます。引き続きよろしくお願い致します…！！ (2021年5月10日 1時) (レス) id: 7c8a826f9a (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 続き気になりすぎてます！ (2021年3月7日 21時) (レス) id: 803e2a4328 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 描くのやめちゃったんですか？待ってます！ (2021年1月14日 22時) (レス) id: 3d21976f0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Laurent | 作成日時：2020年6月10日 23時
