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U side
彼からその言葉が聞けた時は、嬉しくて涙が出た。
嬉しくて でも同時に苦しくて、ごめんなさいとどうしようもなく震えた声が溢れた。
彼は何も言わなくて、私の手をずっと握ったまま黙っていて。
どんな顔をしているのか、わからない。俯いたまま視線を上げられない。ジョングクくんが何を考えているか知りたいのに、今だけは勇気がない。
散々嘘をついて彼を傷付けてきた私が、また彼を拒絶してしまったから。
本当は、あなたの手を取りたい 心の底から
JK「…泣かないで、わかってるよ。全部わかってる」
彼のもう片方の手が視界に映る。私の頬を撫でて、涙をすくった。暖かくて優しい指が、そのまま髪に通った。
JK「Aは優しいね」
彼の声。いつもと変わらないような、そうじゃないような。私を責めも咎めもしないその言葉がすっと心に染みて、もう、涙が止まらない。
そっと近付くジョングクくんの気配がそのまま私を包み込んだ時、やっとわかったような気がした。
この人はもう、子供じゃないんだ
私が守らなければならないほど、子供じゃ___
JK「もっと、大人になったら。全部自分でできるようになったら…」
ぐ、と力が籠もる背中に回った腕。覆い被さる彼の体に、体格差を思い知る。
JK「必ず迎えに来るから。だから…それまで好きでいてもいいかな」
そんな言葉を、くれるなんて
耳元でそう呟くジョングク君の顔はやっぱり見えないけれど、今度は何となくわかる気がした。
「っ……うん、うんっ…待ってる、ずっと」
きっとソンヒョンのことは忘れられないし、忘れたくない。たまにジョングクくんに彼の面影を感じるのも、この気持ちが如実に現れているからなんだと思う。
だけど私が好きなのは、ちゃんとジョングクくん自身だった。
ソンヒョンを好きだった気持ちはずっと覚えているけれど、今はもう___思い出なんだ。
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Laurent(プロフ) - ミカさん» お待ち頂きありがとうございます;_; 更新頑張りますのでこれからもよろしくお願い致します…! (2021年5月16日 2時) (レス) id: 1f1ed7af51 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 待ってました。良かった。 (2021年5月13日 18時) (レス) id: 14f1a948cb (このIDを非表示/違反報告)
Laurent(プロフ) - ミカさん» お待たせ致しました〜〜!!;_;コメント沢山頂いていたみたいで…この作品を長く愛してくださってありがとうございます。引き続きよろしくお願い致します…!! (2021年5月10日 1時) (レス) id: 7c8a826f9a (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 続き気になりすぎてます! (2021年3月7日 21時) (レス) id: 803e2a4328 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 描くのやめちゃったんですか?待ってます! (2021年1月14日 22時) (レス) id: 3d21976f0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Laurent | 作成日時:2020年6月10日 23時