【第五人格】納棺師くんと占い師くん(続)

クリスマス。 ページ21

この荘園にもクリスマスがやってきた。

ここに来てから日付け感覚なんてとうに失っていたのだが、

朝起きると周りがやけにうるさくて気だるい身体をなんとか起こし、部屋からリビングを盗み見る。

暖炉の傍には大きなクリスマスツリーが飾ってあった。

よく見ると赤い靴下が3つ。

暖炉の前にある一人掛けのソファとセットの丸テーブルにはポップなロウソクが二つ。

完全にクリスマス仕様に模様替えした屋敷にため息が出る。


「眩しい…」

「やぁ、今日は一段と騒がしいね」

「なんだイライか」


この荘園に来てから一緒に行動する事が多く、僕が唯一まともに話せる人。

この人の隣は何故かいつも落ち着くのだ。


「これは…クリスマスだね」

「そうだね」

「おや、今日はゲームが無いそうだよ」


彼の目線の先には見覚えのないホワイトボードがあった。


「本当だ」


ホワイトボードには『本日のゲームはありません』と書かれていた。


「今夜僕の部屋でディナーでもどうかな？」

「いい案だね、楽しみだ」

「よかった。じゃあ、また」

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