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汗でベタベタになった彼の布団は洗濯し、代わりに僕の布団を被せた。


用が済んだので、扉に向かう。


するとイライさんが僕の服の裾を掴んだ。



「イライさん?」


「…行かないで」



掠れた声は熱を帯びていて、子供のような言い方なのに、どこか色気を含んでいる。


美しい双眼は僕を捕らえて離さない。


瞳には僕だけが映っていて、まるで時が止まったかのように動けなくなる。


…目を奪われる。


そんな感覚を初めて味わい、思わず身震いしてしまった。胸が高鳴る。



「イ、ライさ…!」



次の瞬間、イライさんの顔がぐっと近づき、唇と唇が触れ合うほどの距離になった。



「まっ…」



唇が触れる寸前で、イライさんは僕の肩に、もたれ掛かるように倒れ込む。


未だ高鳴ったままの胸がうるさい。


僕は彼をしっかりと支え、もう一度ベッドに運ぶ。


分厚い服のせいで分からなかったが、その身体は意外にも華奢で、僕の腕にすっぽり収まってしまった。


もっとガッシリしているのかと思っていたが、こんなにも頼りない身体だったなんて


彼をベッドに運んだ際に触れてしまった腰は細く、しなやかだった。


イライさんはそのうち寝息を立て始めた。


さっきのは何だったんだと穏やかに眠る彼に恨めしい視線を送る。


当の本人は露知らず。
全く起きる様子を見せない。


僕はもう一度、布団をかけ直してやると目の前の人物は「んー…」と寝返りを打つ。


そろそろ落ち着いた頃だろうと部屋を出る。
もうあの時のように裾を掴まれる事はない。


扉に手をかけようとすると、先程の出来事が鮮明に思い出され気はずかしくなる。


それと同時にあの瞳を思い出し、目の前で弱っているこの人を放っておけなくなった。



「…今日だけはついててあげます。」



ベッドに腰を下ろし、彼の頬を一撫でする。


すると彼は眠りながらふにゃりと笑い、僕の手に擦り寄ってきた。


…まるでイライさんの相棒の梟のようだ。


今日の彼ははいつも落ち着いていてカッコいい彼とは違い、幼いので可愛らしい。


穏やかな風が僕の髪を揺らす。


たまにはこんな日があってもいいのかもしれない。


いつもより幼い彼と…

ぎゅってして!→←いつもより幼い彼。


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
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踊り狂う雑魚(プロフ) - あ、そうなんですね!良かった〜 (2020年4月29日 20時) (レス) id: 5e1aeed0ee (このIDを非表示/違反報告)
ぬこまき(プロフ) - 踊り狂う雑魚さん» 元気ですよ!最近はあつ森しかやってないから第五全然できなくて笑 (2020年4月29日 0時) (レス) id: a8d43ca4fd (このIDを非表示/違反報告)
踊り狂う雑魚(プロフ) - ぬこまきさん、お久しぶりです。最近第五人格してないようなので心配になっちゃいました。お元気ですか? (2020年4月25日 9時) (レス) id: 5e1aeed0ee (このIDを非表示/違反報告)
ぬこまき(プロフ) - 踊り狂う雑魚さん» ありがとうございます、よかったです! (2020年2月15日 15時) (レス) id: a8d43ca4fd (このIDを非表示/違反報告)
踊り狂う雑魚(プロフ) - 最高!こういうの好きです (2020年2月15日 9時) (レス) id: 5e1aeed0ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぬこまき。 | 作成日時:2019年6月25日 2時

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