JKの邂逅【utit／nrs】

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「おともだちなろ」


「え、」


彼氏がいるかもしれないと気を使ってくれていたらしい。別に、彼氏がいるからって男友達を作ってはいけないなんてルールはないけれど、なんとなくはばかられるのは共感出来た。散々妹だのなんだの言ってくるバニ相手でも、向こうに彼女が出来たら2人で会うのは控えようと思っていたし。


拒否されていた訳ではなくて安心した。やったぁと素直に口から漏れて、絡まっていた小指をブンブンと振り回す。


「私、大人のお友達作るの初めてです」


「言い方よ、」


「ぅえ、そういう意味じゃないです。やだ」


「ごめんってぇ」


小指はそっとほどかれて、ひとりで立ち上がったなるせさんに今度は見下される。身長差なんて大してないはずなのに見下されてしまうのは、距離が近いから。


「お友達なんだから敬語なしね」


「わかった。なるせ」


「溶け込み方えぐ」


もうちょっと照れた方が良かったか。それとも、私はAちゃんって呼ばれてるのにいきなり呼び捨てで呼ぶのは流石にイラッとしただろうか。


「あ、日付超えるね。引き止めてごめん」


「いや、」


私のせいでここまで長話になったんだから、なるせさんが謝る必要なんてない。


「ちゃんと寝なよ」


「そっちこそ」


「じゃーね、A」


あ、呼び捨てされた。


距離詰めるの上手い。すごい。これが大人なのか。


「またね、なるせ」


エレベーターに乗り込んでいた彼に、私の声は届いていただろうか。

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