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episode.6 ページ6
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「あべちゃん！探したんやけど！どこ行っとったん？！」
俺を見つけるや否や肩をバンバン叩く康二。
その力が強いことといったら。
"痛いよ"と言いかけるも、
今もなお肩を叩き続ける康二の目は少し潤んでいて
言うに言えなくなってしまう。
「電話もしたのに繋がらんし！心配したんやで…！」
「ごめん。」
その言葉に違和感を覚えた俺は、
着信あったっけなとズボンのポケットを探る。
当たり前ではあるんだけど、
水に濡れたズボンはまだ湿っていて手を入れるのが躊躇われた。
しかし嫌な予感というのはよく当たるもので。
取り出したスマホは電源がつかずただの銀の塊と化していた。
…嘘でしょ。ちょっと水に浸かっただけじゃん。
何年も大事に使っていたものだからショックは大きい。
カチカチとつくはずのない電源ボタンを連打する俺を
康二は気遣うような声色で諭した。
「何年も使って性能が落ちとったんかもな。
スマホも長く大切にしてくれて嬉しかったと思うで。」
「康二…」
「で、…なんで濡れとるん？」
「聞くの遅くない？」
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作者名：にな | 作成日時：2024年3月20日 14時
