episode.4 ページ4
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潮風になびくセミロングの薄いブラウンの髪と
真っ白なノースリーブのワンピース。
そこから伸びる白い手足は、
すらりとしていてモデルさんのよう。
夏といえどまだ7月上旬。
しかも…左手の腕時計が指すのは6の文字。
さすがに寒くない？え大丈夫かな？
心配でつい目で追っていると、
今までしっかりと砂浜に立っていたのが嘘のように
ふらふらと海へ歩き出した。
波が裸足に打ちつけても気にすることなくどんどん進んでいく。
えなんで。何してんの？！
考えたくはないけど最悪の可能性が頭によぎり、
手元のデジカメをハンカチに包みその場に置いて
彼女に向かって駆け出した。
すでに膝まで水かさは迫っていてワンピースの裾は濡れている。
「待って！」
手首を掴むと"間に合った"と安堵の気持ちで
足元まで気を配れていなかった俺は、
片足が海藻に引っかかっているのに気づいた。
だが時すでに遅し。
そのまま彼女を巻き込む形で倒れる。
「ご、ごめんなさい！本当にごめんなさい！」
すぐさま膝立ちで頭を下げる俺。
視界には立ち上がったであろう彼女の足のみ。
「顔、上げてよ。」
艶やかな声が鼓膜を揺らす。
それに釣られるように顔を上げると、
ぱっちり二重の大きな瞳と視線が合った。
驚いて思わずぱっとそらす。
そーっと視線を戻した先には…
「…っ？！
え、なんでっ？！ すみませんっ！」
「え？…何が？」
え俺遊ばれてる？ なんか楽しんでない？
「絶対わかってるじゃないですか！
ふ、服が…透けてます……」
「あれ。ほんとだ。今気づいた…！」
「いや絶対嘘ですよね。
わかってて見せてくるとか新手の変態かと思いましたよ。」
"えー急に辛辣〜"口に手を当てて笑う彼女に
不覚にも目を奪われる。
カウントダウンは始まっていた。
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作者名：にな | 作成日時：2024年3月20日 14時
