共犯マッチング【紫】 (ページ10)

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たまに訪れる穴場の公園。

休日の朝に散歩がてら来ることがほとんどで

気づかなかったが、

『ひ、広い…し、暗い』

深夜になると迷路と化していた。

街灯のない真っ暗な道は

一人で歩くには心細く、

スマホのライトが

更に薄気味悪さを増幅させているように思えてくる。

　

10分ほど歩くと指定場所のベンチが見えた。

見た感じふかまるさんはまだのようだ。

道に迷っていないか心配になり、

マッチングアプリを開いて

メッセージをタップした時、

トンと、肩に手が乗った。

？「こんばんは〜」

『わっ！』

びっくりして息が止まりそうになる。

…気配感じなかった。

？「ごめんねーそんな驚くと思ってなくて」

そう困ったように笑うのは、

黒のキャップに黒のマスクの男性。

『すみません…ちょっとびっくりしてしまって…

ふかまるさんですよね？

みーなです』

深くかぶったキャップを少し上げて挨拶する。

ふ「うん、オレふかまる！

なんかお互いニックネームで挨拶って変なかんじ…って、え？え？」

『どうしました？』

ふ「Aちゃん？！

えぇ！待って…

なんで！！？」

…まさかこんなに早くバレるとは。

ここなら誰にも見られないだろうと、

思い切ってキャップとマスクを外した。

『…正解！』

オーバーすぎるリアクションが面白くて、

いつもは絶対やらないウインクなんかしてみたり。

ふ「…ごめんっ…オレ、やばいわ。テンパってる」

へにゃりと地面に倒れ込むふかまるさん。

動きすぎて、

その頭から落ちたキャップを渡そうとすれば、

目が合った。