共犯マッチング【紫】 (ページ5)

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『ありがとうございました』

その後、打ち合わせは無事終了。

会議室を出ようとすると、

目「南さんっ！」

目黒さんに呼び止められた。

『どうしました？』

目「あのっ…初共演なのでご挨拶をと。

Snow Manの目黒蓮です。

よろしくお願いします」

『こちらこそ。

ご挨拶が遅れてすみません。

南Aです』

目黒さんが手を差し出す。

挨拶といい律儀だなと思いながら、

その大きな手を握った。

しっかり5秒ほど握手し、手を離す。

目「僕らのグループ9人いてSnow Manっていうんですけど、メンバーみんな南さんの大ファンなんです。

清楚で綺麗って」

その言葉に一瞬息が詰まりそうになるが、

なんとか笑顔を作った。

『ありがとうございます。

知ってくれてるんですね。

…私のこと、他に何か言ってる人とかいませんでしたか？』

＂清楚＂や＂綺麗＂以外の言葉をくれる人はいないか、

9人もいるならもしかしたらと、

かすかな期待を胸に尋ねた。

目黒さんは不思議そうな顔をしてちょっと考える。

目「え？

あぁでも、ふっかさん…

深澤辰哉っていうメンバーは、カジュアルとかスポーティ系の服似合いそうだなって、言ってました」

私が黙っているからか、

目「あ、あんま気にしなくて大丈夫です。

彼女の部屋着はチャイナ服一択の奴がいうことなんで笑」

そう一言付け加え、お辞儀をして目黒さんは去って行った。

『ふかざわ、たつや…』

私の呟きだけが、会議室の中に残った。