共犯マッチング【紫】 (ページ25)

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どれだけの時間そうしていたかわからないが、

ふと我に返った。

背中に感じる温もりは…

『っ！目黒さんっ…』

目「ん？」

後ろから覗き込まれて頬が熱くなる。

なんで、こんなに優しい顔ができるんだろう。

なんで、こんな私に優しくしてくれるのだろう。

『なんで…っ、抱きしめるのっ…？』

目「苦しそうだから。

"助けて"って、言ってるように見えたからです。」

震える声で目黒さんは呟く。

その瞳は潤んでいた。

キミが顔を歪ませるのはなぜ？

自分のことじゃないのになぜそこまで関わるの？

私にはわからない。

全てを見透かしているかのような声色に、

苛立ちと不安が入り混じる。

『…言ってない！

私、助けなんて求めてない！！！』

まわされた腕を振りほどき、思わず叫んだ。

背後で目黒さんが息を呑んだのが伝わる。

目「南さん…すみません。でもっ」

『踏み込んでこないでください。』

目「嫌です！だってこのままじゃ南さん、」

『やめてってば！！

キミと話してると私は私がどんどん嫌いになる…！

もう私に関わらないで！！』

楽屋内は途端にしんとした。

あ…また……また、傷つけた。

少しの息づかいさえ感じられない空気が、

目黒さんへ与えてしまった衝撃を表しているようだった。

やっぱり、私じゃダメなんだ。

いつもいつも歩み寄ってくれる人達を拒絶して、

罵って、遠ざける。

でも私はこのやり方しかわからない。できない。

『…ごめんなさい。』

目黒さんには結局最後まで背を向けたままだった。