共犯マッチング【紫】 (ページ19)

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深「…まって、どういうこと、？」

『言葉通りの意味です。

深澤さんを好きになってしまったから、

この関係は続けられません。

片方が恋愛感情を持った上での共犯関係なんて

成り立つとは思えませんから』

深「いやだ」

『え…』

深「オレ、ここだと…沙良ちゃんの前なら

ありのままの自分で居られる。

沙良ちゃんは知らないかもだけど、

オレ表では結構ヘラヘラしてるタイプなんだよ。

あんま本心出せないっつーか」

弱々しく語る彼の肩は、少しだけ震えていて

支えてあげたいなんて柄にないことを思ってしまう。

正直、すごく意外だった。

けど、私の前では＂ありのまま＂で居られるという言葉に

嘘は感じない。

なんなら私だってそう思ってる。

離したくない。

…いいのかな。

アイドルと女優の秘密の関係。

しかも恋愛感情付き。

ダメに決まってる。

でも、貴方が私を必要としてくれるなら。

このままでいたい。

『…さっきの、取り消しできますか』

深「もちろん」

へらりと笑う彼からは

さっきまでの表情がきれいに消えていて。

何だったんだと思いつつ、

この適当な感じが素を出してくれてるみたいで

嬉しかった。

こんなに簡単に揺らいでしまうなんて、

私はどれだけ深澤さんを好きなのだろう。

もう本当に戻れなくなったこと、

理解しているのに何もしないで幸せに浸る私は

悪い女になれているだろうか。