共犯マッチング【紫】 (ページ13)

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飲みがひと段落し、

ほぼ全員が酔って寝てしまった。

明日昼から仕事だし、

みんなには悪いけど先帰ろうかなぁ。

スマホのアラームをセットしながら立ち上がると、

「ふっか、お前マッチングアプリとか興味ない？」

唯一起きていた一人、

和真が赤い顔で腕を引いた。

深「ないよ。オレアイドルわら」

和「いい出会いあるぜ〜

俺と彼女…いやもう奥さんか！

奥さんもマッチングアプリだからさ」

いや惚気かよ。

しかも籍まだだろ。

ツッコミを入れようとするが

和「見つかるかもよ、＂ありのまま＂見てくれる人」

…なんで覚えてんだよ。

昔、当時一番仲が良かったコイツにだけ

言ったことがある。

「オレはアイドルだし、

アイドルをしてる自分が好きだし、

そんなオレを応援してくれるファンのみんなも好きだけど、

たまーに思っちゃうんだよねー。

イメージ？理想っていうのかな、押し付けないでって。

まあ作ってるのは自分だから、

矛盾してるのはわかってるよ。

でも…見破ってほしいって感じ？わら

＂ありのまま＂のオレでいられる場所がほしい」

今思えばデビューもしてないJrが

長々とこんな語ってたの恥ずいわ。

けどこん時に自覚したんだ、オレ。

ファンの子とは付き合えないって。

アイドルの＂深澤辰哉＂を知ってる人には、

ただの人の＂深澤辰哉＂を見せられないから。

深「じゃやってみようかな〜わら」

ファンのみんなごめんね。

オレはみんなが好きな＂リアコ＂なんかじゃないんだわ。