precious * (ページ4)

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『ふはっ、なにそんな歯食いしばってんの笑』

「え、？」

ゆっくりと顔を上げると大きな体を縮こませて私の顔を覗き込んでくる竜生

「りゅ、せ、」

『ん？』

「なに、なんの用、ですか、」

『え、敬語？』

てか分かんない？と言いながらまたちょっとずつ距離を近づけてくる竜生

「竜生、『すきだよ』

「 ... え、？」

そう言った竜生の瞳は今まで見たことないくらい優しい目で

逸らしたいのに、絡まってしまって逸らせない

『Aがすきだよって』

「ま、た、からかってるの？」

『俺こんな大事なときまでそんなおふざけしたりしねーよ笑』

気づいたら涙が頬を伝ってたみたいで竜生のその大きな手で優しく拭ってくれる

『だから俺と付き合ってくれませんか？』

時が止まったような気がした

竜生が、あの竜生がまさか、私のことなんか、って

声が出なくて必死に首を縦に振る

『ふっ、よかった』

ふわっ、と優しく頭から包み込んですっぽり竜生にハマってしまって

周りの歓声なんて、聞こえない

「、ちょっと、竜生、」

『なに、カレカノだよ？照れてんの？笑』

「照れてないもん、」

『照れた顔もかわいーね』

「な、」

そんな性にあわない発言に驚いて顔を上げればちゅっ、と一瞬だけ触れる唇

『ずっと好きだったんだよ、俺』

1枚上手の彼には勝つことができないみたいです

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