三十五話 風邪の時間�� ページ35
「フランドールさんは不思議だね」
「い、いや…そんな事ないよ」
まずい。明らかに疑われてる。
「普段、勉強とか大変じゃない？ウチは勉強の進度も速いから」
「先生が分かりやすいから、全然平気だよ」
「先生って、あの烏間っていう先生だっけ」
「…えーっと、そうそう」
そうか、表向きは烏間先生が担任ってことになってるんだっけ…
殺せんせーって一応国家機密の存在なんだもんね。私も吸血鬼って周りにバレたら色々やばそうだけど。
「あの先生って、そんなに教えるの上手いんだ」
「ま、まあ…」
「良ければ、E組の事色々教えてくれない？」
「…それは、生徒会長として知りたいの？」
…さっきから変だ。
E組や私に対して探りを入れてる。やっぱり怪しまれてるのかも…
浅野くんはちょっと目を細めて、言った。
「…そう、生徒会長として、ね」
「…」
「今日はもう帰った方がいい。疲れているだろうから」
毛布はそこに置きっぱなしで良いから、と言って浅野くんは生徒会長室を出ていった。
***
「フランちゃん？」
「、業？」
本校舎から出ると、見覚えのある赤髪が見えた。
「病人介抱してやろうと思ってさ」
「優しいね。集会はサボってたけど」
「ああいうのはいーんだよ、行かなくて」
何が良いのかはよく分からないが、やっぱり業と話していると安心する。
浅野くんは…少し苦手かもしれない。
結局彼は、何が知りたかったんだろう。
「今日保健室しまってんだよね？どこにいたの？」
「えっと、生徒会長室」
「…は？」
業はぴたりと歩みを止める。
「なんで？」
「え…と、浅野くんが」
「アイツが何？」
私は業に、昨日あったことも含めて全て説明した。
聞くだけ聞くと、ふーんと言って、先をさっさと歩き始めた。
「…なんか怒ってる？」
「別に」
「…」
どうしたんだろう。いきなり業の機嫌が悪くなった。
「生徒会長にあんま関わんない方がいいよ。何考えてるか分かんないし」
「…それは、ちょっと分かるかも」
「でしょ」
ちょっと持ち直したのか、業の歩幅が私と同じくらいに戻る。
そのまま家まで、なんて事ないことを話しながらゆっくり帰った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「赤羽業」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
古明地さとりん(プロフ) - あまなっとー2ndさん» あ、フランたん癒やしですね。更新頑張ってください！ (2020年10月19日 15時) (
レス) id: 7c65315183 (このIDを非表示/違反報告)
あまなっとー2nd(プロフ) - ありがとうございます！とても励みになります(*´`) (2020年10月9日 17時) (レス) id: 7ed2310209 (このIDを非表示/違反報告)
あまなっとー2nd(プロフ) - アニメ大好きさん» 過去に同じようなコメントを頂いたので、見ていただけると幸いです (2020年10月9日 17時) (レス) id: 7ed2310209 (このIDを非表示/違反報告)
古明地さとりん(プロフ) - この小説めっちゃ好きです。頑張ってください！！ (2020年10月9日 17時) (レス) id: 7c65315183 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好き - パチュリーのフランへの呼び方はフランですよ。あとレミリアもフランです。 (2020年9月4日 6時) (レス) id: 77a81043b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
