三十話 生徒会長の時間�� ページ30
連れてこられたのは、街のはずれのほうにある廃屋のようなビルだった。
錆びて埃っぽい階段を登っていく。
男達は、私と男の子の手と口を縛って、ここでじっとしてろ、と伝えて違う階へ行った。
どうしよう。とにかく拘束を解かないと…
と、突然口元に開放感を感じる。
「＿＿っえ？」
「手のロープも解くからじっとしていて」
男の子は既に自分の拘束を解いて、私の後ろにまわった。
「あ、ありがとう。縄抜けが速いんだね」
「そう？早くここから逃げないといけないからね」
何だかさっきから妙に行動がスマートだと思った。
そこで、ずっと気になっていた事を男の子に聞
く。
「ねえ、あなたは誰なの？」
「…椚ヶ丘中学校の生徒会長、と言えば分かる？」
「生徒会長…」
ふーむ、確かに何処か見覚えがある。
全校集会で見かけたかもしれない。
「それで、生徒会長サン。ここからどうやって逃げるの？」
「随分落ち着いているんだな。もう少し取り乱すと思ってたけど」
「あぁ…なんて言うか、慣れてる？みたいな」
「慣れてる？」
男の子＿＿生徒会長サンは、綺麗な顔を少し怪訝そうにした。
「＿＿とりあえず、外へ出るルートを確保しないと。彼等の様子から見るに、かなりの人数がいるだろうから、警備を潜って抜け出さないと」
「ベランダが空いてるわ。そこから飛び降りればいいんじゃない？」
「…君、ここが何階か分かって言っているのかい？」
まあ、確かに人間がここから降りたら怪我じゃ済まないかも。
生徒会長サンは、ちょっと馬鹿にしたような目でちらりと此方を見る。
「…なに？」
「そうか。君、E組か」
「そうだけど…」
ああそうか。Ｅ組は全校の蔑みの対象なんだっけ…
生徒会長サンってことは、この人はA組なんだろう。
私たちE組とは住む世界が違うわけだ。
「…どうして私を助けたの？あなた達の大嫌いなE組だよ？」
「生徒会長として、E組の生徒と言えど、見捨てる訳にはいかないからね」
生徒会長サンはそう言うと、ふいっと顔を背けて、さっきの男達がいないか、確認する。
むむむ。生徒会長としての立場は守るけど、E組を馬鹿にしていて…何だかものすごくフクザツだ。
この人と一緒で、ここから逃げられるんだろうか。
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古明地さとりん(プロフ) - あまなっとー2ndさん» あ、フランたん癒やしですね。更新頑張ってください！ (2020年10月19日 15時) (
レス) id: 7c65315183 (このIDを非表示/違反報告)
あまなっとー2nd(プロフ) - ありがとうございます！とても励みになります(*´`) (2020年10月9日 17時) (レス) id: 7ed2310209 (このIDを非表示/違反報告)
あまなっとー2nd(プロフ) - アニメ大好きさん» 過去に同じようなコメントを頂いたので、見ていただけると幸いです (2020年10月9日 17時) (レス) id: 7ed2310209 (このIDを非表示/違反報告)
古明地さとりん(プロフ) - この小説めっちゃ好きです。頑張ってください！！ (2020年10月9日 17時) (レス) id: 7c65315183 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好き - パチュリーのフランへの呼び方はフランですよ。あとレミリアもフランです。 (2020年9月4日 6時) (レス) id: 77a81043b5 (このIDを非表示/違反報告)
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