流れるその血は恋の味【暗殺教室×東方project】

十二話　解放の時間 ページ13

感じた気配は全部で四つ。

？「1243項、班員が何者かに拉致られた時の対処法。犯人の手かがりが無い場合、会話の内容や、訛り方等から、地元の者かそうでないかを判断しましょう。」

茅「…渚！ 皆！」

…皆来てくれたんだ。心が軽くなるのを感じる。

でも、体はそんな場合じゃない。

私の周りに居た男達は離れていったけれど、アクセサリーは着いたまま。

？「……ちょっと、大丈夫？」

フ「……ぁ、かばね」

ぼやけた視界に映る赤髪。それだけで、相手が誰なのか分かってしまう。

業「ッ！ 何これ……火傷？」

フ「…」

業「…何されたの？」

フ「色々…」

業「…よく頑張ったね」

フ「ん…」

頭に残る、暖かい感触。それだけで安心する自分を恨めしく思いながら、いつの間にか現れた教師に視線を向ける。

殺「約束、守ってくれましたね！」

フ「うん。…やくそく」

カエデ、有希子の二人は、何も無かったみたい。

フ「…良かった」
＊＊
業side

ぐったりしてるフランドールちゃんを俺がおぶって帰る事になった。

いくら小柄とはいえども、女子がぴったり体に密着していると、やっぱり意識せざる得ない状況に陥る。

背中から、すぅすぅ…という寝息が聞こえる。

穏やかな顔しちゃってさあ。俺は全く穏やかじゃないよ？

君は純粋だから、そーゆうの知らないかも知れないけど。


…誘拐されて、死ぬ程に心配した。

傷つけられて、相手を憎んだ。

安心した笑顔見て、堪らなく嬉しかった。


こんなに気持ちが、ただのクラスメイト相手に激しく変化するなんて、普通はおかしい。

俺は背中の奴ほど、鈍感じゃ無いから、これが何なのかくらい、分かっている。


大変そうだな、これから…

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