十一話 犠牲の時間 ページ12
茅「…神崎さんにも、ああゆう時期があったんだね」
神「…うちは父親が厳しくてね…」
有希子の父親は、有希子に高い学歴、肩書きを求めてきて、その重圧に耐えられず、一時期遊びまくってたんだって。
神「その結果得た肩書きは、エンドのE組……ふふっ、もう自分の居場所が分からないよ…」
フ「有希子…」
有希子の“目”は、きっと弱々しい光を放っているのだろう。
見えなくても分かる。
男1「そんなん、俺らの仲間になりゃいいんだよ」
聞いていたのか、向こうで駄弁っていた男達がまた近付いてくる。
男1「俺らも肩書きとかタヒねっつー主義でさあ、エリートぶってるヤツを台無しにしてよお、なんつーか自然体に戻してやる?見たいな。そーゆうアソビ沢山してきたからよお」
……何が自然体に戻してやる、だ。
フ「…さいって―」
思わず出てしまったその言葉に、男の顔から笑顔が消える。
フ「っ…」
男1「ああん!? お前も直ぐに同じところまでおとしてやるよ……おい、適当にやっとけ」
神「フランドールさんっ」
首を締め上げられる位、吸血鬼には効かない。
男2「生意気な目ェしやがって…」
フ「うッ……!?」
首にジュッという音がする。
こいつ……銀の合金のアクセサリーを着けてる。
吸血鬼に銀を押し当てるのは、人間にドロドロに溶けた金属を押し当てるのと同じ。
フ「あうっ…ぅぐ…!」
男2「あ? なんだこいつ。…これに反応してんのかぁ?」
男3「よくわかんねえが……ハハッ苦しんでやがる、おい、もっと持ってこいよ!」
フ「!? うぅっ…や、めて…」
じゃらじゃらと金属の音がする。
全てではないけれど、殆どに銀がはいっている。
体の至るところが痛い。
気化しているのが分かる。
茅「フランっ、止めてよっ止めてっ!」
カエデが心配してる。大丈夫だって、返事しなきゃ。
でも、出来ない。
フ「…にんっげ、ん…なんかっ…!」
手を握るだけで壊れるだろう。
でも、約束した。殺せんせーと。
使えない。使わないと死ぬ。使いたい。使いたくない。
頭の中がぐるぐる。
助けて……誰か……!
その時、ドアが開く音。
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古明地さとりん(プロフ) - あまなっとー2ndさん» あ、フランたん癒やしですね。更新頑張ってください! (2020年10月19日 15時) (レス) id: 7c65315183 (このIDを非表示/違反報告)
あまなっとー2nd(プロフ) - ありがとうございます!とても励みになります(*´`) (2020年10月9日 17時) (レス) id: 7ed2310209 (このIDを非表示/違反報告)
あまなっとー2nd(プロフ) - アニメ大好きさん» 過去に同じようなコメントを頂いたので、見ていただけると幸いです (2020年10月9日 17時) (レス) id: 7ed2310209 (このIDを非表示/違反報告)
古明地さとりん(プロフ) - この小説めっちゃ好きです。頑張ってください!! (2020年10月9日 17時) (レス) id: 7c65315183 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好き - パチュリーのフランへの呼び方はフランですよ。あとレミリアもフランです。 (2020年9月4日 6時) (レス) id: 77a81043b5 (このIDを非表示/違反報告)
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