【d!】不良を買い取りました！2 (ページ7)

今日:16 hit、昨日:78 hit、合計:20,988 hit

7話ページ7

グラウンド

「…ん、ん…」

鉄臭い水を無理やり胃に流す
ついむせてしまいそうになったが、
なんとか耐え凌ぎこれで脱水には
ならないだろう

初夏といえど、カゲロウが笑う季節
しっかり気を引き締めないとちる
を残してあの世にいっちまうかもしれない

それだけは、ダメだ

「…朝飯、100円したら月3000円か…」

花の図鑑を1つ買える値段に
ため息を漏らす。ウロウロと考えている
間にトントン先生の笛がなってしまい

日向に出るしか無くなった

───

tn「今日は、開会式、閉会式の流れを確認するからなーー」

tn「…」

生徒たちは、だるいだの愚痴を吐きながらも
列に並び始めた。Aも、その中の1人に
混じって足を動かしている。

…それにしても今日は暑いな…これ8月やばない？

tn「今日は、立つ作業ばっかやから
水分補給なるべくしっかりさせよ」

「…」
ut「うぅ、あちゅい…」

なんでこんな暑い日にさせるん？！
冬でええやん冬で！！

拭いても吹いても拭いきれない汗
休憩から体感は1時間くらいすぎた気がする

ut「…」

席が隣そして出席番号も隣のAは、
俺の後ろにいるはず。ちらりと振り返れば
相変らず涼しい顔。白い肌に宝石みたいな目

神様、Aに二物を与えすぎなんちゃう

ut「暑ない？A」
「うん暑い」
ut「これで長袖でおられるとか、すげーよ」
ut「あー」
ut「もし気分悪なったら鬱くんの胸に飛び込んでおいで？助けてあげる」

「…うん」
「鬱も、細いし運動してないから気をつけてね」

ut「う、」

…かわいい…ほんま、ほれそう
てか惚れた

───
給水タイム

「あ、…」

水道には、あまたの人だかりができていた。
水筒の給水をしている人が大勢で
中々列が動かない。

不良がここにいても、生存本能の方が
勝り誰も俺を怯えることすらしなかった

ほかの水道を回ってみたが既に遅かった
みんな水いるよな…

ま、…俺が列に並んだら
不良の後ろは嫌だって混乱させてしまうかもしれない

給水は諦めて、軽い汗を拭って
太陽の射線上にでた。あと1時間だし
大丈夫、耐える

tn「体調悪いやつはすぐに休憩しろーー」
tn「…やっぱりですか」

給水タイムをとったが、かなりの生徒が
疲労していた。まだ大丈夫だとは思うが
これ以上きついなら、早めに終わるせるか……