【d!】不良を買い取りました！2 (ページ6)

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56話ページ6

昼休み

図書館

「…」

em「Aさん！おかず作りすぎたんで食「いらん」
em「うぅ」

今日も今日とてこの子にご飯を食べさせる
計画は失敗してしまった。レシピの本は
沢山見る癖に食べないんですから意味ないですよ

Aさんは、週の半分はここにきて
本を読んでくれる。過疎に近いこの場所に
人、しかも私と話してくれる人が来てくれる
ことが嬉しい。

だけどAさんは、どうなんやろうか
…お友達とは食べないんか？そもそもこの人って
お昼食べへんよな…

em「…」

Aさんのことを常に頭にいれて
しまっている。家に帰ってもずっと

…

恋なんかな…？

syp「エミさーん、本返しに来ました」
em「ん？あぁ、ちょっと待ってな」

syp「……あ」

図書館にいるエーミール先生を
弄るためにきたが、その姿をみて
一瞬で頭が真っ白になった。

窓際で書籍を読むその人は、
学校で有名な不良

なぜそいつがここに、？…
てかこないだこの人にチーノが
助けられたって話し合ったよな

…

その疑念も、顔を見た瞬間
すべてが吹き飛んでしまった。

syp「！…」

綺麗という言葉はこの人の為にある
そう確信できる程綺麗な顔だった
透き通るような白肌に薄めの唇
完璧な忘れ鼻と大きな目

前髪で隠れているが、この人は
美人だ

syp「…」
em「はい、…どうされました？」

syp「え、いや。別に」
syp「んじゃボッチ飯の邪魔してすんません！」

em「えぇ、…」

───
廊下

syp「…あんなに美人なんや」

不良なんだから、狐より鋭く細い目で
喧嘩の後遺症で鼻が折れてたりするものだと
思い込んでいた

周りの声なんて聞き取れない。
目の前の道があってるのかも分からない

アルコールを飲んだ時のように
頭の中がふわふわと浮かんでいた

ci「しょっぴー？大丈夫か？」
syp「…あ、チーノ」

ci「どしたん、顔が赤いよ？」
syp「…なんでもあらへん」
ci「あ、もしかして好きな人できた？！」
syp「ちゃう、……と思うわ」ci「え…」