61話 ページ11
sn「…今はしんどくない?」
「…大丈夫です」sn「ほんま?」
「…耐えれる、くらいですから」
「今何時ですか、」
sn「今は、HRがあってるよ」
「…すみません、帰ります」
sn「送って帰るよ」
「…いいです、対価、はらってへん」
sn「…」
その主義は体に染み付いていたらしい。
Aは覚束無い足取りで2人きりの
保健室から出ようとしていた。
無理やり手をつかめば、抵抗は無い
体力の問題だろう
sn「…いいから」
sn「鬱くん?が、荷物まとめてくれてた」
「鬱が、?…」
鬱には迷惑をかけた。今度、何かしらの形で
対価を払わないとな…
ペ神センセーにつれられるまま
彼の匂いがする車内に乗り込み
車に抱かれるがまま通学路を窓越しに見つめる
エアコンが聞いてて涼しかった
sn「今日は、客キャンセルしとけよ」
「…」
sn「…あとさ、」
sn「…」
Aが気絶している間に調べた
ちるって子は、数年前国の指定難病を
患った県内の子供だった。現実は小説より奇なり
とはこのことで
ちるは、Aの兄弟だった
そういや《この苗字は2人とも特殊》だった
なんで気づかなかったんやろ
sn「…」
治療費のために働いている
Aは、自分のためになんてしない
金を稼ぐこういだって誰かのために
決まっとるやろ
───
Aの家
sn「…ここが、Aの家か」
目の前にたっていたのは漫画でしか
見たことがないようなオンボロなアパート
Aの上着から鍵をかりて
扉を解錠し中をあければ、車と同じくらい
むせ暑苦しい空気が歓迎
1LDKの家で、狭い。
エアコン、冷蔵庫、…テレビに
ベットもない
あるのは机と小さな布団のみ
ここで生活してたんや
sn「…A、「ペ神さん、これ」
「…交通費。相場知らんからわからんけど」
sn「…」
ボロボロの財布から取り出した万札
無理やりそのボロを奪い
Aの戸惑う声を無視して
俺の持っていた万札を詰め込んだ
「何してんの、」
sn「…これで飯食え」
sn「…ちるさんのことがあって食えないのはわかった」
sn「けど、お前が倒れたらあかんやろ」
sn「ちゃんと食え。金が怖いなら俺が出す」
sn「ちゃんと生きて」
「……なんで、ちるを知ってるん、」
「…なんで、金を、だすの…なんで」
「なんで……」
sn「…」
また眠ったAに布団をしく。
埃っぽい匂いがしたからこいつ寝てすら
いないかもしれへん
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作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619
作成日時:2024年3月28日 22時