【d!】不良を買い取りました！2 (ページ2)

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52話ページ2

保健室

「センセ」
「水道水、これで飲ませてください」

sn「……」

昼休みが終わる前Aは
ボロい財布の中から1000円を取り出し
俺に差し出した。その目は真剣そのもので
こいつは、水道水を飲むのにも金が
かかると本気で思い込んでいるらしい

sn「いらんし、水筒ないん？」
「…ないっす」

sn「なんで？ペットボトルは？」
「ない」
sn「…このお金で、飲み物買って」
「…水とかお茶は、もうない」

sn「…」

sn「水道水には金要らんから」
sn「明日からちゃんと飲み物とか持ってきて」

「…うす」

水道水は無料で使っていいらしい
本来なら、断るべきだが…なにせ猛暑
ちるを残して死ぬかもしれない

仕方ない。明日から空のペットボトルに
水道水をつぎ込んでそれで飲む
ペットボトルさがそ

sn「…飯は食ったん？」
「……くいました」
sn「嘘つけ」
sn「A、ほんま食わんとあかんからな」
sn「絶対倒れる。根性やないねん」

sn「…はい。俺のやつやけど」

…

Aは、俺が差し出したおにぎりを
断った。いつもと同じセリフ同じ声

対価を払ってない

その強迫観念に近い主義に心底
呆れ同情する。その鉄格子がなければ
君は今より楽に過ごせるのに

sn「倒れたら嫌やねん」
sn「あー、…前払いってことで」
「何を払えばいいんですか」

sn「…いいから、ほんま倒れる前に食って」

4月の中間の気温のおかけでAは
ほとんど絶食状態で生き延びることができた

しかし現代の夏はそんな限界人を逃がさへん
…

俺の中で釘とも言える何かを思いつき
おにぎりを訝しげに見つめるAに
大して放った。

sn「A、君が倒れたら俺への迷惑料として次やる時に1000円引く」
sn「逆に倒れなかったらご褒美として1000円あげる」

sn「ええな」
「…ご褒美ってなに」

sn「ええから、ええな？」
「いや、ご褒sn「ええよな？？」
「…」

「迷惑料の部分はわかった」
「んじゃ、失礼しやした」

sn「…」

逃げた

Aは、自分への罰は過大に
与え、褒美を過小に…てかやらん

事情を話してくれたら助かるんだが

sn「はぁ」

…好きな子の理解できない部分に
また1つため息がもれた

───
水道

「…ぬる」

文句はいえないが、水道の水は
ぬるくて鉄臭い。仕方ない

日焼け止めが高いんだから、仕方ない

「…客に受けないんだよな、日焼けって」