51話 ページ1
Aと俺らのオトモダチ関係が
始まって数週間。
春の優しさを忘れた太陽が、日に日に
紫の光線を容赦なく殴りつけてきた。
すぐ無くなる500ml
更衣室は汗シートを資金とした密売所
体育祭に伴いやまく汗が、俺らを蝕む
夏の暑さに対して、嫌悪をもつのは
全世界共通だと信じたい。
Aも、一緒やったらええな
───
2-1
ut「今ってまだ5月初めだよな？？」
sha「せやね」
kn「おん」
ut「暑すぎひんか」
sha「まぁ」
kn「それが初夏やろ」
ut「うわーーん、寒かった3月に戻りたいぃぃ」
4月の次の月のくせして、
真夏のような暑さをつきつけ
6月の前の月のくせして、
連日のように雨をふきつける
周りからパクリすぎな5月
シャツにじんわり汗が這う不快さに
狼狽えていると汗なんて無縁といいたげな
人がボロいカバンをもってやってきた
「…」
ut「A、おはよぅ…」
「…おはよ」
「…」
kn「あぁ、こいつ溶けてるだけやで」
sha「こら鬱。Aがドン引きしてるやん」
ut「えぇ、引かんといて」
「…そんなに暑い？」
ut「そりゃあつ……お前ら、汗かいてないやん」
周りの仲間だと思っていた奴らは
汗ひとつも流してなかった。裏切られた！
ut「なんでかかんねん」
kn「遺伝」
ut「くだばれ有性遺伝子!」
「…」
kn「てか、今日からやんな確か」
sha「何が？」
kn「体育祭の全体練習」
sha「あー、おん」
ut「え、地獄？」
kn「2時間外に出るだけやん」
ut「しねと？」
「…それ、ほんとなの？」
sha「ん？ほんまよ」
5月下旬に控えている体育祭に
向けた全学年で行われる練習が
今日から始まる。競技の確認やったり、
出し物の練習やったり
かなりハード
A、耐えれるん？
sha「ちゃんと水筒もってきた？」
「…水道水借りる」
sha「…」
sha「A、倒れる前に俺らに言ってな？」
sha「夏の暑さ舐めてると死ぬで〜??」
「気をつける」
夏の暑さは、舐めてない。
紫外線に焼けないようにしないとな
なんだかんだこの人たちは
俺とつるむのをやめなかった
クラスメートにも見られてしまい
後には引けない
俺、不良のはずなんやけど
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 314人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あちき
| 作者ホームページ：http://33550619
作成日時：2024年3月28日 22時
