【d!】一方的なやりなおし2

59話《奔放の藍色》 ページ9

ut「へっくしゅん…」
syp「風邪っすか」

鬱は、赤い鼻を掻きながら
そうかもな〜と濁す。

汚いからその手には一切触れないが

ut「んで話って？」
syp「…《男同志の話ですよ》」

インカム、監視カメラが機能していない
穴場
そこまで連れつきてやっとこのバカは
分かったらしい

ut「…そっち系ね？ええよ、なんや」

言うてみろよ



syp「ｯ……そうですね」

syp「まず××の事なんですが───


───
教会


os「話聞けばさ、覚えてる映像ってごーもんうけて殺される頃と…まぁ訓練兵のいざこざの頃よな」

os「映像は無いのに、記憶はあるんか？」
「…わかりません。正直自分は夢を見ているだけかも知れません」

1時間ほど彼に捕まえられている
私が聞きたいのに質問されたら

自信がなくなってきた。

これ、本当に現実なのか。走馬灯では？
1回目の人生なんてなかったのでは？
ないのなら、なんで毎晩魘される？
なんで、幹部に触れたら思い出す？


os「…不思議やな。経験としてあるのに
何が起きたかはほとんど覚えてない」

Aの幻想か？…いや、Aが見る幻想
ならば父親が出てくるはず。一切ないのは
おかしい

そもそも触れるのがトリガーなのも変やし
毎晩魘されるのも変

os「…」

os「…A知っとる？」
「…」
os「俺らの神様ってさ、クソ優しい女やからさ」
os「信じてないやつにもご慈悲を与えるんやって」
os「Aは、死ぬ直前やり直したいって思ったんやろ？」

os「変な話、神様の気まぐれでほんまにやり直したんかもな」

「…話は、もういいですか」

os「…ええよ、また情報があったら頂戴ね」

「…ありがとうございます」




やっと開放された。
神様…なんて信じてない。ただの妄想
いるとすれば、そいつは限りなく性悪だ



os「…信じて欲しいねんけどなぁ…」

落ち着く紅茶も彼女が好きそうなお菓子も
すべて見透かされてる、と警戒心を逆に煽って
しまった。

ステンドグラスの女神はずっと俺を
見つめる。馬鹿野郎、と言いたいのか

頭を掻き乱す。なんで、上手くいかないんやろ

os「信じて欲しいねん、…ただ」
os「君のことが好きなんだよって…」
os「難しいめうねぇ」


？「…」

───


rbr「…」

オスマンの悪循環は、…まぁ大きな事件が
起きひん限り治らんやろうな

rbr「下手くそやなぁ」

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