85話 ページ35
逃げるように去ったエーミールさん
手元に残ったのはパンケーキのレシピ
「作るほど、好きという訳では無いんだけど」
そもそも味は相対的に評価するから
これだから好きは…ない
「…」
数枚ページを捲ったが、
やはり私が知っているような情報ばかりだ
小麦粉、水、卵、砂糖、BP、…
《小麦粉は、燃えやすいから火の取り扱いには
気をつける》
「そりゃそうでしょ、小麦粉が舞った
空間で火を出せば」
爆発す───
「…え」
頭に稲妻が走った。ビリビリと
脳が回転されていく
爆発…
黒いって本当に焼けた体か?
爆発して焦げた小麦粉の黒色を
指すのでは無いのか?
爆発的に燃えるなら体なんて残ってない
兄さんは取引をしに行くと言った
取引とはどこでするんだ?
外?いや、彼は偉い人物だ
部屋の中でする方が可能性が高い
「ッ!」
頭より足の方が早かった。
気づけば図書館を出ていた
後ろからエーミールさんの声もしたが、
すぐ消えていった
まだやらなきゃ行けない書類も
沢山あるし、回収しなければいけない奴もある
今日の夕方にはコネシマさんとの
任務もあるし
自分の行為は、おかしいことくらい
分かっている
だけど、
「死なれるよりましだ、」
あの日に確かに視線が変わった。
その時おかしいことを言ったからかもしれない
そこはわからない
だから、おかしいことを言う前に
おかしい状況をとめなくちゃ
息切れした体で、駐車場に滑り込む
自分の車を目で探したが、
…あ、
「鍵、忘れた」
なんでいつもこんな時にこうなるんだ
部屋に置いてくことも忘れた本
防具も何も持ってきてない
アホ、早く取りに
zm「A!ロボロから、なんか急いでるから車だしてやれって言われたんやけど」
「ッ、ゾム、!」
zm「?!」
監視カメラで見られてたんだろう
苦情の一つも言いたいどころだが、
今はそれどころじゃない
ゾムの手を無理やり、
彼の車まで引っ張る
zm「ど、うし……どこや」
「に、兄さんの、取引場所、」
zm「確か…あ、ここや」
zm「港の巨大倉庫やな」
zm「…俺の運転は荒いで」
「知ってる」
「ゾム、お願い」
zm「…おう!」
昔の、訓令兵の頃のAがそこにいた
目に光があって、
俺を呼び捨てで呼んでくれていたA
よく分からんけど、Aがいうなら
大事なんや
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ふむむ(プロフ) - 66話のヒントでもしかしてスパイって…やばいめちゃくちゃ好きです。 (3月23日 3時) (レス) id: 72c4b6a776 (このIDを非表示/違反報告)
まも。 - 53話の絵、めちゃくちゃ上手いしシュールでおもろいの草。才能の無駄使いってやーつ…? (3月20日 22時) (レス) id: f3d61cfa83 (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - うえはーすさん» ありがとうございます! (3月18日 13時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
うえはーす(プロフ) - 初コメ失礼いたします!ついに100話まで…!あちき様の作品はどれも素晴らしいものばかりで尊敬いたします!お体にお気を付けて、これからも元気に活動頑張ってください! (3月18日 13時) (レス) id: 9aaf506a02 (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - レナさん» すみません…!ありがとうございます (3月5日 23時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619
作成日時:2024年3月4日 15時