検索窓
今日:22 hit、昨日:152 hit、合計:107,625 hit

68話 ページ18

夕方

Aの部屋

「……」

コンコン

「…はい」

この時間のノックは、嫌な予感しかしない
重たい足取りで扉の前に立つ。ドアスコープ
の中にいるのは…あぁ、
ショッピさんとチーノさん

買い出し、の連絡だろう

ため息を吐き尽くし、何とか顔を
取り繕って扉を開ける

syp「Aさん、買い出し行きましょ」
ci「俺らは、皿とか食わない奴らしいです!」

「…わかりました」



───

適当な変装をすませ、
何故か指定された私の車に乗り込む。
最近車の出番多いな



syp「俺運転しますよ」
「大丈夫です、ごゆっくり」
ci「Aさんの車かわいいわ」
「…」

修理してるから、これ代車なんたけど


話すのも億劫になり、アクセルを踏み込んで
前進する。彼らが指定したマーケットの
地図を読み込みながら、窓の外を見つめた

いつもと変わらない堤防代わりの森林
防火用の石の壁
目を瞑りそうな夕方

すべて、いつも通りで億劫だ



syp「…Aさんが飲み会とか初なんじゃ?」
ci「…そうやん!、え、楽しみ」

syp「Aさんって、酒飲めるんですか?」

「…普通です」

syp「ふーん?」
ci「酔ったAさんも見てみたいわ…」

2人のくだらない会話には興味が無いAさん
無言でハンドルを切っている姿も素敵やなぁ

ほんま高嶺の花や

高嶺の花を俺みたいな下賎な奴が
独り占めできたら…
考えるだけでヨダレがたられる。
きっと、今夜の晩食より何倍も
うまいものだろう


───


「駐車場でまってるのsyp「あんたも行くんすよ」
「……」




syp「どれにしよ…」
「…」

店に入って半刻が入っても彼らは
皿のひとつも決めずに店をウロウロしている
店員も困った様子で見守っているし、
城の彼らも皿を使いたい頃だろう


ため息がまたひとつ出てきた

「急な飲み会ですので、洒落ていなくてもいいですよね」
「恐らくスープ等の大鍋が必要なものは」
「作らないと思うので」
「浅い皿、そらに安めのでもいいと思いますよ」

ci「…」
syp「…なんで最初から言わないんですか」

「2人の思考の邪魔になるかと」

syp「…チーノ。なんかあったよな?そういうやつ」
ci「ん、持ってくる」


syp「…邪魔にならんから」

「…」

そっぽを向き呟くように言われた
なら、意見を煽って欲しいものよ



ま、どうでもいいか

69話→←67話《春色の馳騁》



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (142 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
553人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ふむむ(プロフ) - 66話のヒントでもしかしてスパイって…やばいめちゃくちゃ好きです。 (3月23日 3時) (レス) id: 72c4b6a776 (このIDを非表示/違反報告)
まも。 - 53話の絵、めちゃくちゃ上手いしシュールでおもろいの草。才能の無駄使いってやーつ…? (3月20日 22時) (レス) id: f3d61cfa83 (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - うえはーすさん» ありがとうございます! (3月18日 13時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
うえはーす(プロフ) - 初コメ失礼いたします!ついに100話まで…!あちき様の作品はどれも素晴らしいものばかりで尊敬いたします!お体にお気を付けて、これからも元気に活動頑張ってください! (3月18日 13時) (レス) id: 9aaf506a02 (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - レナさん» すみません…!ありがとうございます (3月5日 23時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619  
作成日時:2024年3月4日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。