51話 ページ1
gr「あの人の墓参りだ」
gr「…そっとしてやれ」
kn「…お、う」
kn「…」
Aの口からよくきく単語
《あの人》
…思い当たる人物は1人しかおらへん
あいつの、
kn「《父親》か…」
zm「…」
───
霊園
「…」
霊園の奥一際目立つ場所に《あの人》は
眠っている。
コネシマさんよりも高い墓石には
私と同じ苗字が掘られている
埋め込まれている宝石や、彫刻は
彼が大物であることを示す証拠
「久しぶりです、父上」
《あの人》──父上は
数年前に死んだ。訓令兵の頃だった気がする
珍しく上官が顔を真っ青にして私に詰め寄り
配慮のない音声で「父親が死んだ」と叫ぶ
その時の上官は知っていたのだろう
父上が《どんな役人》だったのかを
悲しい、とかそういうのはわかなかった。
軍人だから無駄だぅたから
幼い頃に病死で母を無くし父も亡くし生涯孤独
その時辺りから兵士のいじめも始まった
気がする
父上が好きな赤色の花を花立に差し込む
厳格な父上に良く似合う花だ
「…父上、私は前世の記憶があります」
「どうしたらいいのでしょうか」
「…いや、こんなことを貴方に相談するのはおかしいですよね。訂正します」
「…父上の《目的》を必ず果たします」
「ですから安らかにお眠り下さい」
私を俯瞰する墓石は、年季が経っても
威風堂々としていて壮観だ
私も、こんなふうにならなくてはいけない
父のように、ならなくてはならない
「…それではまた半年後に」
目に焼き付けて、霊園を後にする
明日の休みも合わせてゆっくり帰れるか
といっても、もう…夕方だけど
「移動が長いの嫌だなぁ…」
「…なんか、視線感じる」
?「……」
───
ホテル
「…」
あの人の墓参りが終わり
することがなくなった。半年ぶりの
仕事に追われない深夜
いつもより深いコーヒーを啜る
エーミールさんが取り揃えている
城のより浅いしすっきりしない
「…寝たら、また記憶を見るかもしれない」
「それなら1晩くらい起きていた方がいい」
窓から見える四角い光
あの光は、残業で出来ていると
誰かが言っていた気がする
「…ノートの復習でも、しよ…」
はやく父のようにならなければ
私が、
《目的》を果たすんだ
「…見られてる。さっさとここ移動しよ」
?「…」
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ふむむ(プロフ) - 66話のヒントでもしかしてスパイって…やばいめちゃくちゃ好きです。 (3月23日 3時) (レス) id: 72c4b6a776 (このIDを非表示/違反報告)
まも。 - 53話の絵、めちゃくちゃ上手いしシュールでおもろいの草。才能の無駄使いってやーつ…? (3月20日 22時) (レス) id: f3d61cfa83 (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - うえはーすさん» ありがとうございます! (3月18日 13時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
うえはーす(プロフ) - 初コメ失礼いたします!ついに100話まで…!あちき様の作品はどれも素晴らしいものばかりで尊敬いたします!お体にお気を付けて、これからも元気に活動頑張ってください! (3月18日 13時) (レス) id: 9aaf506a02 (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - レナさん» すみません…!ありがとうございます (3月5日 23時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619
作成日時:2024年3月4日 15時