29話 ページ29
食堂
ht「おいし?」
「はい、美味しいです」
今日は、オムレツとパンケーキだった
小さな楕円一つ一つが、大人しい甘さを
帯びており
おいしい
zm「…」
zm「よかったやん、好きなもん食えて」
「え、」
ht「お」
Aは、頬をさすって表情に気づいたあと
少し顔を赤らめて黙って食べ始めた。
そういう味が好きなんだ、ふーん
「…」
なんだろ、このむずむず…
───
トントンの部屋
tn「A、…」
「はいなんでしょうか」
tn「…あの、俺、ええパンケーキの店知ってんねん」
tn「今度行かへんか」
人生で類を見ない光景だった
俺が女性のAに飯を誘うとか
顔が痛いほどあつい。
声も別人のように裏返って見苦しい
でも、Aがパンケーキが好きなら
そういう店に連れていった方がええし
そしたら健康になるし…
「…」
本には、誘われたら一度は行くべきと
書かれてあった。なぜ彼が誘ったかは
わからないが
「わかりました、今度行きましょうか」
これで、嫌われないだろうか
tn「!…お、おん…」
呆気ないその返事に、脳みそが固まる
Aが頷いてくれるとは思わんかった
彼女が部屋に出ていったあと、
段々自分のした事がわかって
tn「あぁ、…ほんま…」
余計に顔がいたくなった
zm「……」
ずる
───
廊下
ci「あ、Aさん!」
「…こんにちは」
彼は、大きな書類をもって走ってきた
逃げれないから、走らなくてもいいのに
そう思った手前
あまたの書類が羽ばたく音が響き
彼の頭が地面に衝突していた
カーペットがよれて
数枚の書類はしわになっている
「…コケるくらいなら、走らないでください」
散らばった紙の束を拾う
やけに新しいのばかりだな
ci「すんません…、あ、鼻血でてもうた」
「…医務室行ってください」
ci「膝も痛い…」
「…」
「この書類、何処に届ける予定でした?」
ci「…大先生のところです」
「…私が、運んでおきますので」
「はやく医務室に行ってください」
「それじゃ。おだいじに」
彼から書類を全部とったあと
不本意だが、行きたくないが
彼の部屋に向かう
怪我するくらいなら、走らないで欲しいし
ちゃんと周りを見て欲しい
ci「……えへへ、」
今日も話せたわ
あとどれくらい話したら、あんたは
俺のこと見てくれるん?
その冷たい目
いつ俺に染まってくれるんかなぁ??
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紫月 香(プロフ) - 続いてくれ〜〜!!!! (3月4日 6時) (レス) @page50 id: 579825fe4a (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - こももさん» ありがとうございます〜!暫くはtnさんが沢山でてきますよ! (2月19日 17時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
こもも(プロフ) - 新作待ってました!嬉しいです!❤️🔥 あちきさんが書くtnさんが凄くタイプで、今作ももちろん全作品が私の心に刺さってます、、!これからも無理のない程度で更新頑張ってください!応援してます〜!🙌🏻 (2月19日 0時) (レス) id: 668a09407c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619
作成日時:2024年2月18日 19時