22話 ページ22
図書館
em「………今日は、違う本を読んでますね…」
いつもよりページをめくる速さが早いAさん
今日は嫌われたくない…のもあるが
断り方のコツ、嫌われない断り方
理不尽な頼み事の回避方法
em「…何があったんですかねぇ…」
誰かに頼まれたんでしょうか
私に言っていただけたら協力できるのに
em「…」
いつも1人な彼女に、見守ることしかできない
自分が少しだけ、憎く思えた
いっそ、ゾムさんに、このことを話してもいいんかな
───
Aの部屋
「……」
湯船に貼ったお湯は、異物の混入で波打ち
端のやつらが排水口に飛び込んでいく
「…どうしたら、」
朝ごはんの担当は、ひとらんさんと
トントンさん、そして何人かのアシスタントらしい
見えない明日に、水面に浮かぶ顔は
しわくちゃ
《あの人》に近づけない
それだけは、嫌なのに
「…はぁ…」
また切り傷が増えた腕を白いタオルで
乾燥させる。
私、…何したんだろうか
───
翌朝
「…」
8:20
時間は刻一刻と迫っているのに
私の足は上手く動かせない。
4時に厨房に入ろうとすれば、
奥に既に何かを煮込む音が聞こえていた
手遅れ
いっその事、トントンさんに私の分は
いらないとダメ元で頼んでみるか?
…いける理由が思いつかない
ため息をはいて机に蹲る
窓なら差し込む日光が眩しくて
目が痛かった
zm「A!…あれ、起きとるやん」
「…勝手に部屋に入らないでくれますか」
扉…ではなく、窓から飛び込んできた彼
本来なら叱って外に出していたが、今は
その気もおきない
zm「朝飯、いくで」
zm「今日はひとらんが、手のこんだの作ってんねん」
zm「…」
zm「なぁ、どうしてそんなに嫌なん」
zm「俺らといるの嫌か?」
zm「前は、俺と一緒に飯…てかずっとおったやん」
zm「食べ方汚くてもええよ?大食いでも」
zm「A、ほら!いくで」
zm「…あんまり、頑固なら」
zm「手ぇ握っちゃうヨ?」
「…わかりました、から」
記憶まで掘り起こされるのは勘弁だ
視界が揺れる中、彼の背中についていく
後で全部吐き出したら、いいか。
…少しでも《あの人》に近づきたいから
最低限の栄養をとって鍛えてきたのに
余分なものが入ったら、遠ざかってしまうのに
zm「…A」
「…なんですか」
zm「嫌いなもんあったら、俺にどけてええよ」
zm「なんでも食うで」
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紫月 香(プロフ) - 続いてくれ〜〜!!!! (3月4日 6時) (レス) @page50 id: 579825fe4a (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - こももさん» ありがとうございます〜!暫くはtnさんが沢山でてきますよ! (2月19日 17時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
こもも(プロフ) - 新作待ってました!嬉しいです!❤️🔥 あちきさんが書くtnさんが凄くタイプで、今作ももちろん全作品が私の心に刺さってます、、!これからも無理のない程度で更新頑張ってください!応援してます〜!🙌🏻 (2月19日 0時) (レス) id: 668a09407c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619
作成日時:2024年2月18日 19時