【d!】帰ってきた諜報員 (ページ6)

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6話ページ6

Aの部屋

「……」

ut「邪魔すんでー」

「邪魔するなら、お帰りください」

ut「あいよー」

「…」

ut「止めんかい！笑」

「すみません。こんにちは鬱先生」

この鉄板に付き合わせれる私の身にも
なって欲しいな。

副流煙を纏う彼は、私の隣に
立って煙のようにユラユラとしている

書類もないので、暇なのだろう

ut「A、今日も可愛ええな」

「……それは、どうも。」

彼は、女は世界中落とせる自信があるのか
よくベタなセリフを吐き出してくる。
嘘なのは長年見た自分の顔で丸わかり

寧ろ、嘘はく人って信用ないから
落とせない気がする

…あれ、私スパイだったわ

ut「悩んでることあったら聞くで？新人は心細いやろ」
ut「よくショッピやチーノのも聞いてたわ」

「……」

鬱先生は、嘘をつく時目を細め首を傾げる。
つまり後輩から信用されてないのね

ut「えぇ、なんか言ってや〜。うっつん寂しい」

「そうですね…、最近トントンさんが書類の提出率が悪いと憂いておりました」
「私は新人なんでわかりませんが、…」

「トントンさん、これ以上低いなら武力行使をするそうですよ。」

ut「え」

ut「…A！またな！」

「はい、ではまた」

「…」

観察力なくてもわかるあの動揺。
さては、出してないな

「仕事、しごと…」

…スパイの仕事もしなくては。

───
食堂

zm「うまｯ、少しAにも持って行ってええ？」

os「ええよ、仲良しになれるかもね」

zm「よｯしゃ！」

os「…」

目の前のゾムは、BOXクッキーを
宝石のように見つめて珍味の様に
味わう。

ただの無毒のクッキーなのに、
子供舌の彼にはプレゼントは嬉しいのね

os「なぁ、Aってどんな感じ？」
zm「ん？」

os「最近忙しいから会ってないねん」
os「なんか悩みとかかえてへんかなって」

zm「マンちゃん、教会の方にいたしな」
zm「最近はなー、特にないわ」

口にカスをつけるゾムは、恐らく
本当の事だろう。あんだけ好き好きやし

os「ならぇぇわ」

zm「あ、最近よう図書館におるで！」
os「図書館？」
zm「おん、なんか調べもんがあるからーって」
zm「真面目よな、」
os「…やね、真面目さんやわぁ」

ほんま、真面目にスパイしてんやなぁ

───

鬱先生
……何となく気づいているので
他の女と同じ扱いをしている。

オスマン
…スパイと確信済み。
どうやって追い出そうかと思考