207話 ページ7
gr「A」
gr「フォトンの討伐の後、我々は、この世界と君らの世界を繋ぐ道を発見した」
「あの井戸ですね…」
私は見れなかったが、ショッピさん曰く私たちの記憶とおなじ建物や人がいた。らしい
gr「兵士が、確認しに中に入る。正式な決定はその後だが」
gr「…先日も、質問した」
gr「お前は、帰りたいか?」
「…」
夜の風は、寂しく冷たい。微かに顕になっている指の先が解けるように赤く染まっていく。自分の中で考えても答えは中々出てこなかった。だけどせめて及第点は
「私は、求められている役割を遂行するだけです」
「この国にとって、必要なのであれば残ります。儀式の関係で帰らなければならないなら帰ります」
…どちらにせよ、一度は日本に戻って元の会社でどう処理されてるかは知りたい。…会議半年遅れたけどまだやってないかな。
gr「つまり、どちらでもよいと」
「…言い方に語弊がありますが」
gr「…」
夜の風が、俺らの間に吹き付ける。A、ここまで来てもお前は折れてくれなかったのか。ぬるい息が白く濁って離散する。
説得しようと口を開けたが、先に切り出したのは彼女だった。俺が何度も尋ねる理由を知りたいのか、それともその先を聞きたいのか。
「…グルッペンさんは、何故私に残って欲しいのでしょうか」
gr「お前にしかできない仕事があるからだ」
「…ほんとに私しかできない仕事なのでしょうか。私は、ただの会社員でしたし…会社、今どうなってるんだろ…」
Aは、まだ前の職場と偽った牢獄のことを気にかけていた。なぜ、お前をいたわらない環境に目をやる。俺でいいだろ
「…なら、もし仮に私が仕事できない場合はどうなさいますか?」
「ほら、両手両足両目がなくなったときとか」
gr「残すぞ」
「なぜ?」
gr「…」
Aは、やはり理由を求めているわけじゃなかった。その先だ。
【社畜じゃない自分を、認めて欲しい】
そうだろ
考える間もなく、俺の体は案外素直で、邪魔なパニエを押しながら腰に腕を回していた。鼻につく男避けの匂いがうざったい。
gr「…これでもわからんか」
「…」
グルッペンさんの抱擁は、いつも少し息が苦しくなる。身長に似合わない大きい手が、背中から離れないからだ。そして、彼独特の甘く苦い香水が鼻を充満する。今度どんなのか聞いてみよ
「……こういうのは、聖女様にして欲しいです」
gr「いやだ」
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あちき(プロフ) - 小豆さん» ありがとうございます!! (12月29日 19時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - 5章完結おめでとうございます!反応集も書いてくれてありがとうございます。とっても面白かったです!6章でも頑張って下さい!! (12月29日 16時) (レス) @page50 id: a88cfbd51d (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - かぜ。さん» えぇっ!ありがとうございます!!嬉しいです! (12月29日 10時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
かぜ。 - 初コメ失礼します!!物語が全部好きです!!こんなにハマった小説今までありませんでした!書き方から作り込まれた設定に世界観まで!とても好きです!!貴方様の小説とっても大好きなのでこれからも頑張ってください!! (12月29日 10時) (レス) id: a4d5ca1fed (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - ビー玉さん» え!ありがとうございます😳💗 (12月28日 8時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619
作成日時:2023年12月20日 23時