190話《最後の遠征》 ページ40
※衣装あり
ゾムさんの例の件は数日を過ぎた。なるべく距離をたまっているつもりだが彼らは、…寧ろ縮めてきている気がする。
それはそうとして、
「…終わらない。」
遠征まで残りもないのに、目の前にはフォトン対策用の仕事で山積みだった。何せ、国の考え方を変える方法なんてわからない。私は、人事なだけで国の政治家では無いのだし
でも、任されたからにはしないと
「…こうなったら、」
デスクの上の書類の束と目を合わす。彼らは、今にもペンを滑らせてっていいたげに白くかがやいていた。
「仕方ないよね」
───
《遠征当日》
《荷台》
tn「なんでやねん」
「…ダメですか」
tn「ダメですねぇ」
Aが、朝からせっせと運んでいた。誰かの手伝いかと尋ねれば…小さな手には入らへんほどの書類。とっ捕まえて話を聞くと、遠征中にするとかほざいてきた。
tn「ナワバリ外でも何があるかわからへん。」
tn「魔物が荷台を襲ったらパーやろ」
「…確かに」
tn「やから、ダメです。」
「でも、早くしないと」
帰り道がわかる前に、と付け足した時彼と目が交わる。雨が降ったような瞳。この場にそぐわない雰囲気に戸惑うと
tn「そんな急いで帰らんでもええやろ」
「…」
どうして、そんなに悲しそうな表情するのだろう。
帰って欲しくない、みたいじゃん
ht「Aーー」
「ん?はーーい」
「呼ばれたので向かいます」
tn「おん」
tn「…」
帰って、欲しくない
───
「え、…」
目の前の光景に口が塞がらなかった。周りの彼らの表情と反比例していく自分。2歩下がると、彼らは3歩近づいてきた。あ、逃げれない
os「Aって1回目の遠征でバレたやん」
os「やから、どーしてもお前の姿を見たいんやってさ」
ht「ちるが、着飾るのと一緒」
ut「いやー、これ被るだけやん」
ut「できひん理由なんてないやろ?」
「…あは、は」
「……」
ht「似合ってる」
os「いいやん」
ut「ちょーどいいんちゃう」
「そうですか…」
更衣室で恨みながらそれを羽織った。
それは、まるでウェデングドレスの魂を宿ったようなうすいマントだった。網目が模様として生きていて、長い丈が足までも隠す。
…この世界に、ウェデングドレスの概念あるのかな
「…ん、?」
数秒前の会話を振り返る。
あ、
え、
見たい?って、…言ったよな…
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ナッツ(プロフ) - 忙しい年末年始にこんなにも素晴らしい物語を描いてくださらありがとうございます。これからも完結までゆっくり待ってますので頑張ってください!応援してます (12月20日 18時) (レス) @page50 id: 1ac31f139c (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - ティノさん» ありがとうございます😭 (12月20日 18時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
ティノ(プロフ) - 引き続き、というより引き継ぎ、の方がニュアンス的に合うような…?違っていたら申し訳ない🙇♀️ (12月20日 15時) (レス) @page45 id: e0db77bac3 (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - 作者も続きが読みたいです。(切実) (12月19日 7時) (レス) @page40 id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
はるぴ(プロフ) - 文章や内容がとっても読みやすいので毎日楽しみに更新を待ってます!主様も、自分のペースでゆるりと更新してくれたら嬉しいです! ! (12月7日 23時) (レス) id: babdf0ee1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619
作成日時:2023年11月4日 10時