183話 ページ33
sn「…君にとって俺は何?」
「?…しご、」
違う。猛烈に頭が言葉をさえぎった。彼の表情を見る限り仕事仲間は不適切。何か、考えないと。
唾を飲み込み、悟られないように息を整え彼が望んでいそうな言葉をかけた。
「…仲間」
sn「!なら、頼れや!」
「へ!ッい、た…」
逆鱗に触れてしまった、壁に蹴飛ばされるように抑えつけられる。力の差は圧倒的で体制を整えることもできず筋肉の痛みと、呼吸しずらさでまた鼻血でもでそうだ。
sn「仲間言うたな?!なら、何で頼らへん?!」
sn「毎回思っとったけどもう言わせてもらう」
sn「何で、1人でかかえこむん?!」
sn「多分、お前が悩んでることはお前一人じゃ解決できひんやつやろ!」
sn「人に助けを求めへんくせに、傷は作りまくって、!」
sn「…まだ切っとるんやろ、!…」
「…」
腕を捕まられた。痛みで顔を歪めてしまったからバレたのだろう。彼は、熱を出し切ったあともたれかかるように私を抱きしめる。
なんて、返せばいいの
sn「事情はあれやけど、数ヶ月共にしたやん」
sn「俺は、君にかなり本音を言って信頼してた」
sn「…君は、そうじゃないん?」
「……わたしは、」
「…」
最近、彼らに誤魔化すのが難しくなってきた。油断したらつい本音が漏れてしまうように、壊れかけた蛇口みたいなのだ。漏らしたら、ダメなのは地球で分かってるはずなのに
ロボロさんのときも、グルッペンさんのときも、聖女さんの時も
言おうとしてしまいそうだった。
…
言ったら捨てられるよね
また、あんな風に
sn「…」
動揺している彼女は、今にも泣きそうな目で俺を見つめていた。言いたい、けど言えない何かと葛藤しているのだろう。言えばいいのに。
君の腕が綺麗になるなら、吐けばいいのに
「…貴方を、信頼してない訳じゃないです」
「ただ、…言いたくないだけです」
sn「…なんで、言いたくないん。それもいわれへん?」
「…」
sn「…俺じゃなくてもええから、せめて1人くらいは頼れるやつ作って」
sn「約束やで」
「……」
彼は、そのまま離れてどこかに立ち去ってしまった。ずるずると、自分の背中が壁と擦れる音が響く。
言わない、の許してくれたのだろうか。それとも、呆れられたのだろうか。
自己欲求が激しい女なのがバレたのだろうか
「…」
gr『お前は、帰りたいのか?』
「…」
帰りたく、ない
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ナッツ(プロフ) - 忙しい年末年始にこんなにも素晴らしい物語を描いてくださらありがとうございます。これからも完結までゆっくり待ってますので頑張ってください!応援してます (12月20日 18時) (レス) @page50 id: 1ac31f139c (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - ティノさん» ありがとうございます😭 (12月20日 18時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
ティノ(プロフ) - 引き続き、というより引き継ぎ、の方がニュアンス的に合うような…?違っていたら申し訳ない🙇♀️ (12月20日 15時) (レス) @page45 id: e0db77bac3 (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - 作者も続きが読みたいです。(切実) (12月19日 7時) (レス) @page40 id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
はるぴ(プロフ) - 文章や内容がとっても読みやすいので毎日楽しみに更新を待ってます!主様も、自分のペースでゆるりと更新してくれたら嬉しいです! ! (12月7日 23時) (レス) id: babdf0ee1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619
作成日時:2023年11月4日 10時