182話 ページ32
《??》
その日は、気温は低くないのに風が背中を冷やすような天気だった。春らしい桜も花も、風で飛ばされないかヒヤヒヤした。
体力がなかった、からかもしれない。昨夜部長に任された仕事が中々終わらなかった。
朝昼晩ずっとしているが、終わらない。いつのまにか机の端には大量のファイルばかりで周りが見えなかった
?「まだ、終わってないの?」
?「期待してたのに」
?「君みたいなのはいくらでもいるんだよ?」
?「それなのに雇っていただいてるんだから、もっとこう、誠意を見せたいと」
?「働かないでここに入れるなんてないんだからね」
「…すみません、」
自分の過失で怒られた。周りの視線は痛いほど鋭かったし目の前の部長さんは、歯を見せてニヤリとしていた。
期待、を裏切った自分が心底憎かった。同時に、期待されたらその通りに動かなければならない恐怖が蓄積されていった。
「…」
家も、会社も同じようなものだった。何かをしないと、居場所が無かった。
?「また、あの部長パワハラしてるよ…Aさんの仕事じゃないのに…」
?「可哀想」
───
「…大丈夫です」
kn「嘘つけ」
Aを担ぐ。抵抗する気力もなかったのか大丈夫、大丈夫、発しながらも体はスライムのように俺に張り付いていた。
期待外れ、その言葉がAにとって何かしらの地雷やった。彼女は聞いた途端トラウマを思い出したような顔になり、心拍数をガン上げした。
何か、あった。
それだけで、俺をざわめかせるのに充分だった。あとで話を聞こうと決心したあと戸惑い顔のペ神にAを渡す。
後は、さっきの一般兵を締めるだけやな
sn「…程々にしろよ?」
kn「いかしてはやる」
「本当に大丈夫ですって」
sn「いやや、何があったか聞くまで帰させん」
「……プライベート」
sn「医者の特権」
「…インフォームド・コンセントsn「知らんそれ」
「…昔を思い出しただけです。仕事するのではなしてください」
sn「何があったんや。昔。お前がトラウマになるほどのやつやろ?何?…」
sn「…」
「……昔、上司に怒られた。その記憶を思い出しただけです。」
「言いました。はなしてください」
sn「……」
嫌なるAの腕をつよく握った。傷に触れられ嫌そうな顔だな。俺も嫌だよ。
もっと、信頼されてるって思ってたから
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ナッツ(プロフ) - 忙しい年末年始にこんなにも素晴らしい物語を描いてくださらありがとうございます。これからも完結までゆっくり待ってますので頑張ってください!応援してます (12月20日 18時) (レス) @page50 id: 1ac31f139c (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - ティノさん» ありがとうございます😭 (12月20日 18時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
ティノ(プロフ) - 引き続き、というより引き継ぎ、の方がニュアンス的に合うような…?違っていたら申し訳ない🙇♀️ (12月20日 15時) (レス) @page45 id: e0db77bac3 (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - 作者も続きが読みたいです。(切実) (12月19日 7時) (レス) @page40 id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
はるぴ(プロフ) - 文章や内容がとっても読みやすいので毎日楽しみに更新を待ってます!主様も、自分のペースでゆるりと更新してくれたら嬉しいです! ! (12月7日 23時) (レス) id: babdf0ee1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619
作成日時:2023年11月4日 10時