180話《古びた鎧は脱ぎ捨てて》 ページ30
《数日後》
《グルッペンの部屋》
「引き継ぎの件で、ご相談をしにまいりました」
gr「引き継ぎ、か。」
「はい。次回の遠征まであと半月ほどになりましたので」
「今のうちに、と」
gr「とりあえず、座れ。」
gr「引き継ぎか、…」
目の前でアールグレイをちまちま飲むAから発せられた単語。考えなければならないのは知っていたがいざ、【別れ】を思わせる言葉に口が動かなくなる。
gr「A、一つ質問だが」
gr「仮に帰れる方法が見つかったとして、お前は帰りたいか？」
「…帰らなければならない、という感じです」
「ここに残らなければならない理由もないので」
gr「もし、ここに残っても双方の世界線に悪影響は及ばなくても帰りたいか？」
「…」
言葉に、詰まった。帰りたい、と言おうとしたのにどうしてか【か】すら言えない。
グルッペンさんは、熱いアールグレイを一気飲みしたあと目を細めた。白手袋越しに社畜を指さして赤く目を光らせる。
gr「お前の個人判断で帰るか決まる前提で話す」
gr「個人的に私は、帰って欲しくは無い」
gr「有能だからな。おかげで着々と正しい予算の構成ができてきている」
gr「この先にもアクシデントはあるからな、その時にもいてもらうと助かる」
「……」
心の中で隠している気持ちが溢れそうになった。抑え込むが、きっと彼の魔法の前では無意味だろう。
帰りたくない
だけど、ロボロさんにあんなことを言った手前、そんな私情を挟んだセリフは吐くことを許されてはない。拒否権を行使しながら考えていると
ため息をついた彼は立ち上がった
gr「…とりあえず、帰るかは考えといてくれ」
gr「引き継ぎは、前から言っていたからな」
gr「コネシマと、ショッピくんに話を通してある。」
「ありがとうございます」
gr「…」
要件は終わった、と言いたげに「紅茶、ご馳走様でした」と立ち上がるA。素直に言えばいいのだが恐らくこのままでは彼女は帰るだろう。
いくな。
「？！、…なんですか。？」
gr「…しばらくこうさせてくれ」
背後から抱きつかれたAは案の定驚いていた。そしてやはりまた簡単に男に体を貸し俺が満足するのを待っている。
「…」
子供、って気がした。失礼だけど
……へんなの
私じゃなくて聖女さん抱きしめてあげてほしいのに
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ﾅｯﾂ(プロフ) - 忙しい年末年始にこんなにも素晴らしい物語を描いてくださらありがとうございます。これからも完結までゆっくり待ってますので頑張ってください！応援してます (12月20日 18時) (
レス) @page50 id: 1ac31f139c (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - ティノさん» ありがとうございます😭 (12月20日 18時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
ティノ(プロフ) - 引き続き、というより引き継ぎ､の方がニュアンス的に合うような…？違っていたら申し訳ない🙇♀️ (12月20日 15時) (レス) @page45 id: e0db77bac3 (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - 作者も続きが読みたいです。(切実) (12月19日 7時) (レス) @page40 id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
はるぴ(プロフ) - 文章や内容がとっても読みやすいので毎日楽しみに更新を待ってます！主様も、自分のペースでゆるりと更新してくれたら嬉しいです！ ！ (12月7日 23時) (レス) id: babdf0ee1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あちき
| 作者ホームページ：http://33550619
作成日時：2023年11月4日 10時
