166話 ページ16
「……あ、鼻血…」
気づいたら、夕日もとっくに山の向こうに去っていった。代わりに私の手には真っ赤な液が付着している。
「…」
血を出したら、すぐに来てって言ってたもんね。仕方ないよね
甘い期待を、勝手に抱きながら席を立つ。あるわけないのに甘い未来を想像しながら、誰も来なくなった部屋の扉を閉めた。
【医務室】
sn『鼻血が、なんや』
「えｯ…」
開けた瞬間、嫌悪を孕む目と合った。その目は心底面倒くさいと息をして問いかける。血を出したと説明したら上記の言葉をかけられ、2、3ヶ月の記憶と【反転】している言葉に体中の関節が固まってしまい動けない。
sn『それくらい、部屋のティッシュでなんとかなるやろ。悪いけど、暇やないねん。それくらい自分でして』
「あ、…わか、りました。すみません、」
無言の圧に沿って1歩1歩、歩き方を確かめるようにとろく部屋を出た瞬間、静かな廊下に扉の施錠する音が響いた。余程、いたくなかったのだろう。
「……ご、めんなさい」
そんなに、イラつかせてごめんなさい。なにかしたんだ。私、なにか、取り返しのつかないことしたんだ。顔変だったかな。声かな、体かな。仕事してなかったから？態度が気に食わなかったのかな？
おまけだから、もういらないのかな
溢れ出す不安と悲壮感に包まれ歩き方もおぼつかなくなる。どうやって自分が部屋に帰ったかも覚えてないが、次に目が覚めるとペンを握って書類をかいていた。
あ、もうこの書類でラストだ。
───
数日後
【食堂】
gr「……」
os「…」
ni「…なぁ、あの光景みてどう思う」
ちる「えー！こんなに食べれないよ！」
ht『いいからっ、食べて欲しいの』
rbr『ちるは、もう少し食べー？』
os「…」
それは、Aとちるが入れ替わったかのようなもの。健康体…若干体重が増えたちるに対して、痩せてるから食べろと彼奴らはどんどん愛を与えていく。天と地がひっくり返らないと起きないような光景に、口を開けることが出来なかった。
いや、…コネシマたちを助けた数日後にはこうなっていた気がする。何故かあいつらは訳もなくちるを愛し始めた。
まるで、【呪い】にでもかかったみたいやな
os「…Aは」
ni「……」
gr「…」
あの時、欲に任せてAを食おうとした罰がこんな最悪な形でくるとはおもってもみなかった。
助けたい、…襲った男には資格はないが
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ﾅｯﾂ(プロフ) - 忙しい年末年始にこんなにも素晴らしい物語を描いてくださらありがとうございます。これからも完結までゆっくり待ってますので頑張ってください！応援してます (12月20日 18時) (
レス) @page50 id: 1ac31f139c (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - ティノさん» ありがとうございます😭 (12月20日 18時) (レス) id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
ティノ(プロフ) - 引き続き、というより引き継ぎ､の方がニュアンス的に合うような…？違っていたら申し訳ない🙇♀️ (12月20日 15時) (レス) @page45 id: e0db77bac3 (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - 作者も続きが読みたいです。(切実) (12月19日 7時) (レス) @page40 id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
はるぴ(プロフ) - 文章や内容がとっても読みやすいので毎日楽しみに更新を待ってます！主様も、自分のペースでゆるりと更新してくれたら嬉しいです！ ！ (12月7日 23時) (レス) id: babdf0ee1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あちき
| 作者ホームページ：http://33550619
作成日時：2023年11月4日 10時
