【d！】薔薇は、喰らわれた (ページ2)

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2話ページ2

【Aの仕事部屋】

「……」

トントン様から頂戴した書類を手早くし分けていく。この作業が終われば分けられた塊を処理していかなければならない。

6畳半の部屋は、いつもほこりが舞い、酷く冷え乾燥しているせいなのか声を出すと喉が乾く。

目の前の書類は、簡単に終わるものでは無い。本日も恐らく残業するのだろう。それでも構わない。軍人たるものそれくらい我慢しなければ。

「…お腹空いた」

軍人と言えど、人間の体は空腹という厄介な機能が着いている。時計を確認したあと仕方が無いので仕事をするために食事をとることにした。

【廊下】

この国では軍に予算を大幅に配分している。敵国に我が国の偉大さを痛感させるためだ。それ故に軍の基地と言うよりかは、観光スポットのような城なのは…少しあれだね

蝋燭を模した照明が光り輝くシャンデリア
太陽の光で威張るマリアのステンドガラス
細かな所まで装飾がされている腰壁

「……」

こんなにお金を費やすなら、
銃弾にでも当てて欲しいな

「？！ｯ」
刹那、
背中から猛烈な痛みが襲った。ジクジクとその箇所から血小板が流れ出していく。

思わず倒れ込むと、
痛みの原因は…ゾム様が持っていたアイスピックらしい。血らしきものがこべりついている。

zm「…目障り」

蛆虫が、と付け足され背中に蹴りを食らわされる。
赤く染っていくシャツをよそ目に謝罪すると
彼はより不機嫌になる

zm「あ”？なら、失せろ。無能」
zm「ここは無能が来ていい場所やない」
zm「それに俺、潔癖症やからな」
zm「汚いもの見ると腹が立つ」
「…すみません」

zm「ﾁｯ、」

彼は、そのまま何処かに言ってしまった
傷も思っていたより浅く
血も止まりかけてあった

「…ご飯、食べよ」

これが、日常
私は無能。【何をしても無能】
不透明な情報の中で唯一の真実
それが差別意識を生ませるものだとは
入隊前には分からなかった

「…」

覚束無い足取りで
私は食堂へ向かった